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執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
皆さんは「固唾(かたず)を呑む」という言い回しを聞いたことがあるでしょう。
「固唾」とは口の中にたまった唾液のことです。
事の成りゆきが気になって、緊張して息をこらして見守る様子が由来といわれています。
このような場面と向き合う経験は誰にでもあると思います。
そして、このつばを飲み込む音を気にしている方も意外と多いようです。
どうして音が出るのでしょう?この音を抑える方法はあるのでしょうか?
緊張時の唾液の特徴
摂食機能療法の専門家、植田耕一郎教授(日本大学歯学部)は、緊張すると唾液の性質が変わると指摘しています。
唾液には「サラサラ唾液」と「ネバネバ唾液」があり、自律神経の働きによってどちらになるかが決定されるとのこと。
心身を緊張させる交感神経が優位なときは「ネバネバ唾液」、逆に、心身をリラックスさせる副交感神経が優位なときは「サラサラ唾液」が分泌されるのだそうです。
また、植田教授曰く、ネバネバ唾液はサラサラ唾液に比べ分泌量が少ないとのことです。
ですから、緊張時というのは唾液量が減って口の中が乾いている状態であると想像できます。
さらに、通常の食事中の唾液は、リラックスしているためサラサラで飲み込みやすいのに対して、ネバネバ唾液は口の中を粘つかせ飲み込みにくい性質を持っているそうです。
つまり、「固唾」の場合はネバネバ唾液であろうというのです。
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