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食中毒のリスクを高める要因
ホコリは、菌やカビを吸着することがわかっています。
不衛生な環境では菌やカビは増えやすいですから、定期的な掃除が必要です。
また、手指や鼻などに存在する黄色ブドウ球菌は、通常よりも増殖すると食中毒を引き起こします。
そのほか、食中毒の原因となる細菌は、ヒトや動物の腸内にも多く存在していますので、トイレ付近や花壇や砂場、浜辺などは注意が必要です。
このように、ヒトの周りには細菌やカビ、ウイルスなどの微生物があふれているのです。
ただし、ヒトにはこれらに対応する機能が備わっています。
口に食べ物を入れると、微生物は唾液や胃酸により殺菌されます。
ここでほとんどが死滅しますが、生き残った微生物が腸に進むと、無害なものは身体にとってよい働きをしたり、そのまま排泄されたりします。
一方、有害なものは悪影響を与えてしまうことがあります。
○秒ルールにまつわる研究
ラトガース大学(アメリカ)の食物微生物学者、ドナルド・シャフナー教授は、この通説(アメリカは5秒ルール)に科学的根拠があるか研究しています。
教授率いるチームは次のような実験をおこないました。
実験方法
床材各種(ステンレス鋼、セラミックタイル、木材、カーペット)にサルモネラ菌を塗布し、各食品(スイカ、パン、バターを塗ったパン、グミキャンディ)をそれぞれの床材に落とします。
そして、1秒未満、5秒、30秒、300秒が経過した時点で、菌の付着状況を調べました。
結果
・1秒未満であっても菌は必ず付着する。
・時間が経過するにつれ菌の付着量は増える。
・床材別の菌の付着率は、カーペット<セラミックタイル<ステンレス網の順に高くなる。
木材は木の材質や表面の状態によりばらつきが出る。
・食品の場合、水分量が影響する。
付着率は、グミキャンディ<パン<バター付きのパン<スイカの順に高くなる。
さらに教授らは、2,500回あまりも回数を重ねすべての組み合わせを調べました。
その結果、「食品の種類や床面の材質によって菌の付着量が変わるため、時間の経過だけで判断はできない」と結論づけています。
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