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剤型:薬の形
加熱・乾燥・砕く・挽く・蒸すなどの加工を施してできた自然由来の生薬は、素材を複数組み合せて漢方薬に仕立て上げられます。
そして、次のような薬の形状で提供されます。
湯剤(とうざい)
お湯で煎じる「せんじ薬」。オーダーメイド処方により、さじ加減が可能。
散剤(さんざい)
挽いて粉末にしたもの。
水に抽出されにくい成分や、湯剤では飛んでしまう芳香成分を含んでいる場合、また、ゆっくりと成分を吸収する必要があるときに用いられる。
丸剤(がんざい)
粉末をハチミツなどで丸めたもの。飲みやすく、保存・携行などに便利。
膏剤(こうざい)
ゴマ油やハチミツで溶いた塗り薬。
エキス製剤
湯剤をフリーズドライにしたもの。煎じる手間がなく携行や保存が可能。
漢方薬の特徴
漢方薬は「身体に対してどのような働きがるのか」という観点から、「四気五味あるいは五気七味」の薬効に分類されます。
●四気(五気)
・熱薬:からだを強く温めて新陳代謝を促す
・温薬:からだを温める
・涼薬:からだを冷やす
・寒薬:からだを強く冷やして、鎮静や消炎作用を与える
・平薬:熱でも寒でもないニュートラルなもの
●五味(七味)
・酸味:収縮作用、収斂(しゅうれん:下痢、炎症、潰瘍を治療する)
・苦味:鎮静作用、瀉下(しゃげ:下剤や便秘薬)
・鹹味(かんみ、しおからさ):やわらかくする、瀉下
・甘味:中和、緩急作用(けいれん性の痛みの緩和)
・辛味:発散、健胃作用
・淡味:湿をとる、利尿、鎮静
・渋味:収斂、かためる、止瀉作用(ししゃ:いわゆる下痢止め)
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