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使用上の注意
刺激性便秘薬や浣腸などは即効性があって、すぐに排便を促したい人には効果的といわれます。
浣腸だと10~20分、刺激性便秘薬だと6~10時間程度で効果が現れるとのこと。
しかし、刺激性便秘薬は作用が強く、服用時に腹痛をともなうことや常用性による耐性からさらに強い効果を求めるようになる可能性があります。
これに対して、機械性便秘薬は腸に負担がかからず、毎日飲んでも耐性ができない点は安心です。
どちらかというと、即効性よりも排便が滞らないような状態をキープするのが酸化マグネシウム便秘薬など機械性便秘薬の効能です。
ですから、乳酸菌や整腸剤と一緒に、予防的に使うことがすすめられています。
酸化マグネシウム便秘薬は、腸内の水分量を増やし排便の流れを良くするよう作用します。
上限量は1日に2,000ミリグラム程度です。
市販の便秘薬を上手に取り入れるには、効果が穏やかな酸化マグネシウム便秘薬や、腸内環境を整える整腸剤を最初に使うことです。
それでも改善せず症状がつらいときは刺激性便秘薬を使うといった、効き目が穏やかなものから即効性のあるものへ段階的に使用する方法が奨励されています。
また、日本大腸肛門病学会は便秘のセルフケアについて次のようにアドバイスをしています。
まずは食事や運動などの生活習慣を見直す。食物繊維不足や運動不足になりがちな人はとくに意識して努力を!
それでも便秘が治らない場合は市販の下剤を必要な時だけ最小限に服用する
習慣的な服用は薬の効きを悪くすることがある
薬局と相談してできるだけ穏やかな便秘薬から始める
便秘が続いて毎日の生活に支障をきたす場合は病院を受診する
※日本大腸肛門病学会『便秘について』(http://www.coloproctology.gr.jp/aboutsickness/archives/6)
このように、便秘対策にはなにより便秘薬を使わなくてもよいような生活習慣が一番です。
そのうえで便秘になったときは、穏やかな便秘薬⇒即効性のある便秘薬⇒受診という段階を踏むことをおすすめします。
なお、受診の際は消化器内科や肛門科など、胃腸を専門に扱う診療科を選びましょう。
最近は便秘を専門に扱う「便秘外来」もあります。
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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