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難聴を引き起こす日常生活の原因
加齢による耳の機能の老化は、それ自体が難聴を引き起こす要因になります。
ほかにも日常生活において難聴をまねく原因として、次のようなことが挙げられます。
耳への異物や耳垢
水やゴミ・ダニなどが耳に入ると聞こえにくくなります。
また、外耳道がふさがるほど耳垢が溜まると難聴を招きます。
どちらも原因を除去すれば治ります。
耳元での大音量
絶え間のない騒音、耳元での爆発音、大音量のヘッドフォンなどでは、直後から聞こえが悪くなったり難聴になったりします。
できるだけ早く治療する必要があるケースです。
鼓膜の損傷
耳かきで突いた、何かに耳をぶつけた、耳を強く打たれたといった衝撃で鼓膜が破れることがあります。
小さければ自然と傷がふさがる場合もあるようですが、痛みを感じていたら耳鼻咽喉科を受診しましょう。
気圧の急激な変化
急激な気圧の変化から鼓膜が内側に押し出され、痛みや耳鳴り、しばらくの間耳が聞こえない…といった症状が出ることがあります。
通常耳のなかの気圧は外気圧と同じに保たれていますが、急激な気圧の変化が起こるとこの均衡がくずれるのです。
飛行機の離着陸、スキューバーダイビングなどでも同様の症状が現れます。
ストレスの影響
心身のストレスが慢性的に昂じると、自律神経が乱れやすくなり難聴につながる場合があります。
そして、難聴がまた新たなストレスになります。
病気や薬の副作用
老人性難聴、突発性難聴、メニエール病、化膿性中耳炎、聴神経腫瘍など、難聴を引き起こす病気は多くあります。
また、リウマチや結核の治療薬、抗がん剤や利尿剤は、副作用で難聴を引き起こすものもあります。
ミュージシャンの難聴:職業性難聴
難聴で苦しむ人を職種別に見ると、ミュージシャンが多いといわれています。
フィル・コリンズ、ニール・ヤング、オジー・オズボーンなど、難聴であるとカミングアウトした著名なミュージシャンもいます。
音楽ジャンルは大音量が響き渡るロックミュージックなどに限られません。
クラシックでもオーケストラの音量は130デシベル(一般的に130デシベルを超える音を長時間聞いていると聴覚に支障をきたすといわれている)余りに及ぶこともあるそうですから、ジャンルは問わないといえそうです。
大きな音を長時間聞いているうちに、耳鳴りがして周囲の音が聞こえにくくなる「一時的聴覚疲労」という症状があります。
この疲労が取れないまま長期間うるさい環境に置かれると「騒音性難聴」にエスカレートしていきます。
この、騒音性難聴のうち職場による騒音で発症するケースを「職業性難聴」と呼んでいます。
ミュージシャンは職業病として難聴になる可能性が高いといえるでしょう。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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