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執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
「書痙(しょけい)」という疾患をご存知でしょうか。
聞きなれない名前ですが、症状を知ると誰しも似たような経験をお持ちかもしれません。
文筆家、教師、速記者など、文字を書くことが多い職業に多く発生するという説もあります。
一般的な動作には障害がないのに、字を書くときに限って筋肉の緊張が手に起こり、震えや強ばりが生じて文字を書く行為が困難になります。
かつては心因性とみなされていましたが、最近では「ジストニア」という病気が原因であることがわかってきました。
さらに詳しく解説していきます。
書痙の症状:手の震えや強ばり
「書痙」になると、ふだんの動作に何ら支障がないのに、人前で字を書こうとする場面で手が震え、筋肉の強い緊張や強ばりなどによって文字が書けなくなります。
たとえば、結婚式やお葬式で記帳する、ホテルの受付で宿泊カードを記入する、宅急便の受取りサインをする…などのシーン。
また、宴会でお酒を注ぐときや乾杯の時にコップが震える、といった例もあり、こちらは書痙ならぬ「茶痙」ともいわれます。
さらに転じて、人前でパソコンの入力ができない、ピアノの発表会で鍵盤がたたけない、料理教室で手が震える、大勢の前で話すと頬がピクピク痙攣する、手が強ばるあるいは脱力して細かい手仕事がままならない、などの症状もあります。
総じて「人前で震えが悪化するタイプ」と「一人でいるときでも強ばりが発症するタイプ」に分けられると専門医はいいます。
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