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「ベージュ脂肪細胞」の研究報告は続々と!
ベージュ脂肪細胞については、さまざまな研究が進められています。
なかでも群馬大学の研究グループは、2017年にベージュ細胞を増やすメカニズムを見出したと発表しています。
細胞内の「Zip13」と呼ばれる特定のタンパク質が亜鉛の運搬に関わっていて、遺伝子の異常でこのタンパク質が欠けると体の脂肪量が少なくなるといいます。
研究グループはこのことに着目し、あえてマウスの「Zip13」を欠損させたところ、そのマウスのベージュ細胞が多くなることを突き止めたというのです。
実験の結果、マウスはエネルギーの消費量が増え、高脂肪の食事を与えても太りにくくなったと報告されています。
また、急にベージュ脂肪細胞を増やせなくても、現在体にある褐色脂肪細胞やベージュ脂肪細胞を活性化できれば、代謝がアップしてダイエットや健康維持の効果を期待することができます。
なかでも、あえて冷たい刺激を与える「寒冷刺激」が一つの方法だといわれています。
さらに、褐色細胞を活性化させる鍵となる食べ物についても明らかになってきました。
例えば、青魚に多く含まれるDHAや緑茶に含まれるカテキン、ミントなども褐色細胞を刺激すると報告されています。
「脂肪でありながら、痩せ体質になる」そんな期待を持てるベージュ脂肪細胞。
今後その仕組みがより解明され、肥満や生活習慣病の予防、新たな治療につながる薬剤の開発に期待しましょう。
【参考】日本経済新聞『「太りにくい細胞」増やす仕組み 群馬大が発見』(https://www.nikkei.com/article/DGXLASFB30H80_Q7A830C1L60000/)
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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