どうしても涙を流したくないときの対処法

Mocosuku(もこすく)
  • どうしても涙を流したくないときの対処法

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

どうしても涙を流したくないときの対処法

公開日時

涙を止めると身体によくない?

 
基礎分泌性の涙と反射性の涙は、それぞれ生理学的な役割を持っています。
 
一方、情動性の涙にはどのような役割があるのかというと…実はまだはっきりとわかっているわけではないようです。
 
ただし、情動性の涙は自律神経と深く関わっていて、泣いたあとは副交感神経が優位になりストレスを緩和する作用があることはわかっています。
 
怒りや悲しみといった負の感情はもちろん、喜びや感動といったプラスの感情も脳にとってある種のストレスとなります。
 
そのような状態のとき、涙を流すことによって高ぶった神経のスイッチを切り替えているのです。
 
実際、泣いたらスッキリして穏やかな気持ちになった…という経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
 
泣いたあとに眠くなるのも、同様に副交感神経が優位に働いているからです。
 
そんな働きをしている涙ですから、込み上げてきた涙を無理に止めるのは本来あまりよくないことです。
 
泣き始めた子どもは泣き止むまで泣かせておく方が、情緒的な発達の観点からはよいとされています。
 
思いっきり泣いたあとの子どもは、ケロッとしてご機嫌になりますよね。
 
心身の健康のためには、大人も泣きたいときには泣くのが一番です。
 
 

応急処置的に涙を止める方法

 
とは言うものの、大人はそれぞれにやむを得ない事情を抱えていて、泣きたくても絶対に泣けないと無理をせざるを得ない状況もあります。
 
それでは、情動性の涙を流したくないときにはどうしたらよいのでしょうか。
 

深呼吸をする

泣き出しそうなときは、呼吸がいつもより浅く、速くなっているものです。
涙が出てきそうになったら、まず息を長く吐き出すことに集中して、呼吸そのものにしばらく意識を向けてみましょう。
だんだんと呼吸が整ってくるにつれて涙も引いてきます。
 

上を見上げる

涙を見せたくない人が空を見上げるシーンはイメージしやすいでしょう。
実際こうすることによって効果はあるようです。
視線を上に向けると気分を変えるきっかけにもなります。
 

瞬きをする

涙は目尻の上にある涙腺から出てきて、目頭の下側にある涙点というところから鼻腔へと排出されていきます。
瞬きをすると涙の排出が促され、目からあふれるのをある程度抑えられます。
 

舌や身体に刺激を与える

清涼感のあるガムや炭酸飲料で舌に刺激を与えると、泣くことから意識が逸れて涙が引くようです。
他にも、軽く舌を噛む、身体のどこかを少しつねる、なども効果があるようです。
 
ただし、涙もろい人がこれらを常套手段にしてしまうと、身体を傷つけるクセがつくことにつながりますから、避けたほうがよいかもしれません。
 
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【健康(その他)】新着記事

かかりつけ薬局とは違う『健康サポート薬局』 知らなきゃもったいない!!

かかりつけ薬局とは違う『健康サポート薬局』 知らなきゃもったいない!!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 近年、薬や薬局にまつわる制度が大きく変化しています。 2016年4月からスタートした「かかりつけ薬剤師制度」では、“患者のための薬局”...

2019/07/26 18:30掲載

『苦くてまずい』はもう古い?実は栄養満点の気になる野菜『ケール』とは

『苦くてまずい』はもう古い?実は栄養満点の気になる野菜『ケール』とは

執筆:磯野 梨江(管理栄養士) 医療監修:株式会社とらうべ ケールと聞いて青汁を連想される方も多いのではないでしょうか? なんとなく苦くて不味いイメージが強いですが、ケールには現代人に不足しがちな栄...

2019/07/23 18:30掲載

フルーツはいつ食べる? 『朝は金、昼は銀、夜は銅』ってどういうこと?

フルーツはいつ食べる? 『朝は金、昼は銀、夜は銅』ってどういうこと?

執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー) 医療監修:株式会社とらうべ フルーツは健康や美容によい栄養素を摂取できる食品として、私たちの食生活に浸透しています。 ...

2019/07/12 18:30掲載

お口の中の細菌は万病のもと 『口腔内フローラ』の重要性を説く!

お口の中の細菌は万病のもと 『口腔内フローラ』の重要性を説く!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 腸内細菌が形成する「腸内フローラ」はすでによく知られるようになりましたが、お口の中の「口腔内フローラ」についてはいかがでしょうか? 「...

2019/07/02 18:30掲載

ワインのちびちび飲みは要注意!「酸」で歯が溶ける『酸蝕歯』

ワインのちびちび飲みは要注意!「酸」で歯が溶ける『酸蝕歯』

執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー) 医療監修:株式会社とらうべ 歯の病気といえば虫歯があまりにも有名ですが、『酸蝕歯(さんしょくし)』という病気をご存知でしょう...

2019/06/28 18:30掲載

憂うつな梅雨は、 ココロとカラダをほぐして前向きに!

憂うつな梅雨は、 ココロとカラダをほぐして前向きに!

執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 雨や曇の日が続いて洗濯物が乾かない、湿気が多くてヘアスタイルが決まらない、なんとなく気分もすっきりしない…そんな梅雨の季節。 ...

2019/06/11 18:30掲載