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涙を止めると身体によくない?
基礎分泌性の涙と反射性の涙は、それぞれ生理学的な役割を持っています。
一方、情動性の涙にはどのような役割があるのかというと…実はまだはっきりとわかっているわけではないようです。
ただし、情動性の涙は自律神経と深く関わっていて、泣いたあとは副交感神経が優位になりストレスを緩和する作用があることはわかっています。
怒りや悲しみといった負の感情はもちろん、喜びや感動といったプラスの感情も脳にとってある種のストレスとなります。
そのような状態のとき、涙を流すことによって高ぶった神経のスイッチを切り替えているのです。
実際、泣いたらスッキリして穏やかな気持ちになった…という経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
泣いたあとに眠くなるのも、同様に副交感神経が優位に働いているからです。
そんな働きをしている涙ですから、込み上げてきた涙を無理に止めるのは本来あまりよくないことです。
泣き始めた子どもは泣き止むまで泣かせておく方が、情緒的な発達の観点からはよいとされています。
思いっきり泣いたあとの子どもは、ケロッとしてご機嫌になりますよね。
心身の健康のためには、大人も泣きたいときには泣くのが一番です。
応急処置的に涙を止める方法
とは言うものの、大人はそれぞれにやむを得ない事情を抱えていて、泣きたくても絶対に泣けないと無理をせざるを得ない状況もあります。
それでは、情動性の涙を流したくないときにはどうしたらよいのでしょうか。
深呼吸をする
泣き出しそうなときは、呼吸がいつもより浅く、速くなっているものです。
涙が出てきそうになったら、まず息を長く吐き出すことに集中して、呼吸そのものにしばらく意識を向けてみましょう。
だんだんと呼吸が整ってくるにつれて涙も引いてきます。
上を見上げる
涙を見せたくない人が空を見上げるシーンはイメージしやすいでしょう。
実際こうすることによって効果はあるようです。
視線を上に向けると気分を変えるきっかけにもなります。
瞬きをする
涙は目尻の上にある涙腺から出てきて、目頭の下側にある涙点というところから鼻腔へと排出されていきます。
瞬きをすると涙の排出が促され、目からあふれるのをある程度抑えられます。
舌や身体に刺激を与える
清涼感のあるガムや炭酸飲料で舌に刺激を与えると、泣くことから意識が逸れて涙が引くようです。
他にも、軽く舌を噛む、身体のどこかを少しつねる、なども効果があるようです。
ただし、涙もろい人がこれらを常套手段にしてしまうと、身体を傷つけるクセがつくことにつながりますから、避けたほうがよいかもしれません。
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