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他人事ではない薬剤耐性!個人ができる対策とは?
薬剤耐性菌の拡大を防ぐために、世界中でさまざまな取り組みが始まっています。
日本でもAMR対策アクションプランが発表され、医療現場でも抗菌薬を適切に使うための見直しが進められてきました。
しかしそれだけではなく、個人個人が薬剤耐性の問題を知りできる対策をとる、という意識も必要です。
たとえば、日頃から感染症にかからないよう体調管理に留意し、手洗いうがいを徹底する、というのは基本中の基本です。
また、体調を崩して病院を受診した際は、やみくもに抗生剤を希望せず病気の原因にあった治療を受けることも大切です。
そして、抗菌薬を処方された場合は、医師の指示どおり飲み切ってください。
たとえば5日分処方された抗菌薬を、症状が良くなったので3日でやめる…などの自己判断はご法度です。
せっかく退治されかけていた細菌の復活や、薬剤耐性を持つ菌への変化を促してしまう危険性があるからです。
もちろん、余った薬を後日再び飲む、似た症状を持つ家族に分ける…などの行為も禁物です。
薬は、患者さんの診察時の症状と、年齢や体格、身体が持つ機能などを考慮して処方されています。
処方されたとおりに飲むことが、副作用をできるだけ抑えて、病気を治すための近道になるのです。
このように薬剤耐性の脅威は他人事ではありません。
拡大を防ぐためには、一人ひとりが薬のリスクや正しい付き合い方を知り、適正に使用することが求められます。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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