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負傷による視機能障害 の危険性はあまり知られていません。素手の顔面パンチは非常に危険です。ほとんどの格闘技はこれを禁じています。しかし、プロ格闘家たちの間では禁断の素手の顔面パンチの応酬による、陰惨なケンカマッチがなかば偶発的に成立することがあります。強烈な打撃で腫れ上がった顔面は大変ショッキングな上、健康面では視機能への影響が懸念されます。
顔面を腫れ上がらせるほどの壮絶なケンカマッチの中には、大きく報道され、広く知られるに至ったものがあります。禁じ手なしの、なんでもアリを掲げるUFC第1回大会(1993年)を制したグレイシー柔術に対し、安生洋二(UWFインターナショナル)が道場破りを仕掛けたとき、後にPRIDE(総合格闘技興行)で活躍することになるヒクソン・グレイシーから手痛い制裁を受けました。このときヒクソン・グレイシーは見せしめのために顔面を執拗に打ち続けたといいます。
また、プロレスのリングにおいて、神取忍VS天龍源一郎の対戦は、男女の闘いという特異性、そして、試合後にひどく腫れ上がった神取選手の顔面が大きな衝撃を与えました。
現在、女子プロレス界におけるケンカマッチとして話題を呼んでいるのが安川惡斗VS世IV虎(2・22後楽園大会/スターダム)の一戦です。総合格闘技を連想させる世IV虎選手によるグラウンドの打撃、そして、顔面崩壊と称された安川選手の負傷が物議を醸しました。結果、将来を期待された世IV虎選手は引退、安川選手は当初失明が危ぶまれるなど、双方に深い傷を残しました。
幸いなことに、まだ完全には治っていないものの、安川選手の視機能は徐々に回復し、復帰戦に向けたトレーニングを開始したそうです。ここでは顔面打撃による視機能低下の危険性を確認しておきましょう。
負傷による視機能障害 :眼窩底骨折
顔面への打撃によって安川選手は眼窩底骨折を受傷しています。眼球が強い力で押されると、これを支える薄い骨が骨折します。眼球で衝撃を受ける代わりに、骨が骨折することで視機能を守っているといわれています。眼窩底骨折が起きても、眼球自体へのダメージは少ないことが多く、視機能に深刻な影響が出るのは稀です。
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