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執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ
女性のみなさん、月経前になると、無性に甘いものが食べたくなることはありませんか?
どうして、このような現象が起こるのでしょうか?
今回は月経前のカラダの変化に着目し、甘いものが食べたくなるメカニズムを探っていきましょう。
月経前に起こるカラダの変化
女性ホルモンのバランスは、月経周期にあわせて変化しています。
なかでも、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌量は大きく変わります。
エストロゲンには、妊娠に向けて子宮内膜を厚くする、基礎体温を下げる、女性らしさを保つ、骨の健康を保つ、動脈硬化を予防するなどの作用があります。
おもに月経から排卵期にかけて分泌量が増加します。
一方、プロゲステロンには、妊娠しやすい状態に子宮内膜の状態を整える、基礎体温を上げる、脂肪や水分を蓄えるなどの働きがあります。
おもに排卵後から月経前にかけて分泌量が増加します。
このように、両者は月経周期によって大きく変化するのです。
しかし、この変化は女性にとってさまざまな不調をもたらすことがあります。
その症状には個人差がありますが、「イライラやのぼせ、下腹部膨満感、下腹痛、腰痛、頭重感、怒りっぽくなる、頭痛、乳房痛、落ち着きがない、憂鬱…の順に多い」といわれています(日本産婦人科学会「診療ガイドライン外来編2014」より)。
「月経前3~10日前から起こり月経が始まると治まる(あるいはなくなる)」、このような症状は、「月経前症候群(Premenstrual Syndrome、以下PMS)と呼ばれています。
PMSの原因については諸説あり、はっきりしたことはわかっていません。
しかしながら、日本産婦人科学会のガイドラインによると、プロゲステロンが関係していることは間違いないとされています。
そして、このプロゲステロンの分泌量の変化は、食べ物の嗜好にも影響を及ぼします。
具体的にみていきましょう。
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