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執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
眠っているときに見る「夢」。
睡眠と覚醒は相反するもので、覚醒は「意識がはっきりしている状態」、睡眠は「意識の途絶えた状態」を指す、という捉え方がかつての常識でした。
その常識からすると「意識のない睡眠時に見たい夢を意識的に見る」ということは有りうるのでしょうか?
幸せいっぱいの夢ばかり見ることは果たして可能なのか…。
今回は夢について、ご一緒に探っていきましょう。
睡眠中の夢:ノンレム睡眠とレム睡眠
1950年代に「レム睡眠」が発見されてから、それまで夢のお告げとか夢分析といった宗教的解釈や治療の方法だった夢への科学的なアプローチがはじまりました。
睡眠には、いわゆる浅い眠りの「レム睡眠」と、深い眠りの「ノンレム睡眠」というふたつの性質があります。
ノンレム睡眠では大脳皮質の神経細胞活動が低下し、脳がスリープモードになっていて、身体も眠った状態です。
一方、レム睡眠では脳は覚醒しているとされています。
ただし、感覚や運動といった身体の機能は眠った状態なので、いわばオフライン状態であるとたとえられます。
私たちの睡眠サイクルは、ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しており、これまで夢はレム睡眠時に見ると思われていましたが、現在ではノンレム睡眠時も夢を見ているらしい、ということがわかってきています。
しかしながら、ノンレム睡眠時の夢は、不鮮明で断片的、気分感情の変化もなく、日常的で平凡なものが多い、印象に残りにくい、とも言われています。
この点を比較すると、レム睡眠時の夢は、ドラマのように鮮明な映像や音声があり、登場人物の表情や振る舞いが豊かであるなど、激しい気分感情を伴うことが多いという指摘があります。
しかも、そうした情動は、荒い呼吸や姿勢、表情などから、周囲の人にもわかるほどだというのです。
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