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執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ
睡眠中の午後10時~午前2時は「お肌のゴールデンタイム」…という話を耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか。
睡眠中に分泌される「成長ホルモン」に基づく考え方で、美肌のためにはこの時間帯に睡眠をとるのがよいとされています。
ところで、そもそもこの時間に成長ホルモンの分泌量が増える…ということ自体は事実なのでしょうか?
成長ホルモンの働きとは?
はじめに成長ホルモンの概要をインプットしましょう。
成長ホルモンは、傷ついた細胞を修復し、肌を再生するための鍵となるホルモンです。
身体の中でたんぱく質の合成に働きかけ、疲労の回復や成長を促進する役割を担っています。
脳下垂体から血液中に分泌され、骨端線(骨の成長する部分)の細胞群や筋肉細胞、脂肪細胞や線維芽細胞(せんいがさいぼう)などに作用します。
血中の分泌量は10歳から14歳の頃にピークを迎え、思春期までの子どもの背を伸ばす働きをします。
14歳以降は徐々に血中分泌量が減少し、50歳を超えるとピーク時の5分の1から7分の1にまで減ってしまいます。
とはいえ、成長ホルモンは「成長」にだけ関わっているわけではありません。
成人の体内においては、筋肉のたんぱくの合成や心筋の収縮力の増強、線維芽細胞のコラーゲンやヒアルロン酸を合成する能力の向上、腸周囲のホルモン感受性リパーゼを活性化させ内臓脂肪を減らすなど、脳に対するさまざまな作用を行っています。
また、成長ホルモンは内臓脂肪にも関与しますので、成長ホルモンの分泌が不十分であると肥満になりやすいとされています。
このように、子どもから大人まであらゆる年代に必要な、体内で重要な役割を担っているホルモンなのです。
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