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借金から解放 自己破産で「人生をやりなおす」
自己破産について迷っているEさんに、弁護士は「自己破産をするのは決して恥ずかしいことではありません。努力しても本人の力ではどうにもならないときに、人生をやりなおすための制度と考えてください」と言いました。
また、自己破産の手続きにかかる弁護士費用も、法テラスの立て替え制度を利用すれば、さまざまな問題が落ち着いてから、無理のない範囲で分割払いによる返済ができることを説明しました。Eさんは、ほかに借金の問題を解決できる見通しもないことから、自己破産に踏み切ることを決意したのでした。
借金から解放 「同時廃止」という手続き
Eさんから正式な依頼を受けた弁護士は、Eさんには資産にあたるものがないため、「同時廃止」といわれる簡単な手続きで自己破産を完了できることを説明しました。
この場合、Eさん自身は何度も裁判所に出かける必要はなく、「破産手続開始決定・同時廃止決定」の後の「免責審尋」の際に1度だけ裁判官との面接に出向けばよいとのことです。
また、免責が決定してしまえば、Eさんが心配しているように「社会的信用を失う」「選挙権がなくなる」といったこともなく、しばらくの間はローンを組んだりお金を借りたりといったことがしづらくなる以外は、普通に生活できるとのことでした。
破産の申立から手続きの完了までは通常3~4か月かかるといわれていますが、弁護士に依頼をした時点で、弁護士はすぐに債権者(Eさんの場合は消費者金融など)に受任通知(弁護士介入通知)を送付するため、返済の督促や取り立てはストップします。
弁護士からこの説明を聞いたことで、Eさんはようやく自分が「借金の問題」から解放されそうなことを実感したのでした。
(次回につづく)
※文中のエピソードは実話をもとに構成・脚色を加えて構成しています。実在の人物・団体とはいっさい関係がありません。
<執筆者プロフィール>
井澤佑治(いざわ・ゆうじ)コラムニスト
舞踏家/ダンサーとしての国内外での活動を経て、健康法・身体技法の研究、高齢者への体操指導、さまざまな障がいや精神疾患を持つ人を対象としたセラピー、発達障害児の療育、LGBTの支援などに携わる。
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