社会復帰 を支えたものは…【実録・貧困とセーフティネット:その9】

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社会復帰 を支えたものは…【実録・貧困とセーフティネット:その9】

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近年、「女性の貧困」の問題がさまざまなメディアで取り上げられていますが、2014年に放送されたNHKの『クローズアップ現代』によると、働く単身女性の3分の1が「年収114万円以下」の低所得で生活することを余儀なくされているそうです。
このシリーズでは実際のケースをもとに、女性の貧困とそこから脱出するための「セーフティネット」について 社会復帰 をテーマに考えていきたいと思います。
 
(前回からのつづき)ケースワーカーの強い説得により「生活保護の廃止」に同意したEさん(仮名・26歳女性)でしたが、廃止決定時期の関係から、Eさんはすでに受け取っていた1か月分の生活保護費を分割で返還しなければならなくなってしまいました。
このときは「また借金か…」と落ちこみもしたEさんでしたが、その後は気を取り直し、本腰を入れて就職活動に取り組んでいます。

 

社会復帰 仕事を探す基準を変える

そもそも、Eさんがなんの保障もないアルバイトという立場をつづけてきたのは、「音楽活動を生活のメインにしたい」という理由からでした。
Eさんはこれまで、急なライブに対応したり、リハーサルの時間を確保したりするために、シフト制などで「時間が自由になる」ことを基準に仕事を選んでいたのです。
またEさんは、たとえ時給が安くても「なんとか生活していければいい」とも考えていました。
しかし、社会復帰がかかった現在のEさんには、そんなことをいっている余裕はありません。友人の勧めで、アルバイトより少しでも時給の高い派遣社員で仕事を探すことを決めたEさんは、「残業が少なく、自分でもできそうな」仕事を求めて、何社もの人材派遣会社に登録に出かけました。
 

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