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ケースワーカー 「まだ若いんだから」といわれて…
翌日、地域の福祉事務所に出かけたEさんに、新しい担当者であるSさんはいきなり、
「あなた、まだ若いんだし、そろそろ生活保護の受給をやめて、社会復帰したほうがいいんじゃないの?」と、切り出しました。
前の担当者であるKさんからは、これまで「生活保護の廃止」についての話が出たことはなかったため、Eさんは突然のこの申し出に驚いてしまいました。
もちろん、Eさんも骨折が治り次第、仕事を再開するつもりでした。しかし、Eさんはようやく歩けるようになったばかりであり、まだ新しい仕事を探している最中だったのです。
しかし、ケースワーカーのSさんは「もうケガも治っているし」「ほかに保護を必要としている人がいるから」などと一方的に話しつづけ、Eさんの言い分を聞こうとはしてくれません。
Eさんは思わず、「わたしに生活保護の受給をやめさせるために、担当者が代わったのかしら」と考えてしまいました。
(次回につづく)
※文中のエピソードは実話をもとに構成・脚色を加えて構成しています。実在の人物・団体とはいっさい関係がありません。
<執筆者プロフィール>
井澤佑治(いざわ・ゆうじ)コラムニスト
舞踏家/ダンサーとしての国内外での活動を経て、健康法・身体技法の研究、高齢者への体操指導、さまざまな障がいや精神疾患を持つ人を対象としたセラピー、発達障害児の療育、LGBTの支援などに携わる。
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