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計画的なバースプラン :ピルを飲むと妊娠できなくなるってホント?
少し古い研究ですが、1990年代の終わりにアメリカで行われた研究では、「自然発生による無月経とピル服用後の無月経の発現率は変わらない」という結果が出ています。無月経であれば妊娠は出来ませんが、自然発生するケースも同等だったことから、「ピルを服用したから妊娠できなくなった」ということにはなりません。
また、2012年にデンマークで行われた研究では、次のような結果が出ています。
ピルを服用しなかった人と比較すると、ピルの服用中止後3か月間までは、妊孕性(にんようせい=妊娠できる力)が低くなっていた。しかしもっと長期的に見ると、ピルの服用期間が長いほど、妊孕性がアップすることが分かった。
2年未満の服用歴の人と比較すると、4~5年服用した人は1.16倍、6~7年では1.10倍、8~9年では1.17倍、10~11年では1.23倍、12年以上では1.28倍、妊孕性が高くなることが分かった。
これは日本での研究ではありませんし、必ずしも同じピルを使用しているわけではありませんので、全く同じ結果になるとは言えません。しかし、少なくとも「ピルを飲んだから妊娠できなくなった」ということは、なさそうですね。
それよりも、希望しない妊娠、計画にはなかった妊娠をし、中絶するようなことになれば、女性のカラダは大きなダメージを受けますし、将来の妊娠に対して影響がでてしまうかもしれません。それが原因で妊娠できなくなるようなケースもたくさんあります。
それならば、妊娠を望まない間はより安全で確実性の高い方法できちんと避妊し、妊娠を希望する時になったら、すぐに妊活をする、というのが良いのではないでしょうか?計画的に妊娠する状況を自らつくり出すことが大切です。
計画的なバースプラン :バースプランは避妊と妊活の両方を指す
性行為は、もともと生殖のための行動ですが、私たち人間にとっては、パートナーとの愛情のバロメーターでもあります。
婦人科医の太田郁子先生に「働く女性のためのバースプラン」についてお聞きしてみました。
「働く女性は、自分のライフスタイルや人生設計の上で、いつが自分にとって【産みたい時】なのか考えている人もいますよね。それ以外の時は、パートナーとの愛情を深めつつ、しっかりと避妊したいと考えているのではないでしょうか。そんな働く女性にこそ、より安全で確実性の高い避妊法を、実践して頂きたいです。」とのこと。
「そしていつか赤ちゃんを授かりたい、そんな幸せな時が来たら、避妊法を速やかに中止して、妊活を初めてください。正しい避妊法を理解して、正しく使用していれば、生理が遅れてもドキッとあわてることもなく、より快適な毎日が送れると思います。」
バースプランは避妊と妊活の両方を指します。望まない妊娠を避けるために正しい避妊法とその避妊法の効果の程度を知っておくことが大切です。
<取材協力>
バイエル薬品株式会社
<監修者プロフィール>
太田 郁子(おおた・いくこ)
倉敷平成病院婦人科医長、医学博士、日本子宮内膜症啓発会議実行委員
<執筆者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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