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年金の知識 :厚生年金と国民年金ではもらえる額に差がある!?
「年金が少ない」という将来不安は、自営業者などが加入する国民年金加入者にとってはより深刻な問題になります。
日本年金機構の2010年度のデータでは、厚生年金加入者の1人あたりの老齢厚生年金+基礎年金の受給額は、平均で年額245.6万円と月額換算20万円を上回る年金を受け取っています。
その一方で、国民年金(=基礎年金)だけの自営業者などは20歳から60歳までの40年間保険料を払い続けた結果の満額年金は、年780,100円(平成27年度価格)と月額換算65,000円程度に過ぎません。
前述の月額12万円との差は明らかであり、国民年金だけでは「生きていけない!」という状況は、誰が見ても明らかです。
年金の知識 :老後を健やかに暮らすために準備しておくこと
日本の公的年金制度は、一人一年金が原則であるため、配偶者がいて夫婦共に国民年金加入者である場合、年金を夫婦合算しても厳しい実情は大きく変わらないと思います。
厚生年金加入者である会社員は、給料から天引きされる厚生年金保険料のほかに無理のない範囲内で月額1~2万円程度の自分年金(積立・個人型確定拠出年金、その他の商品)で準備すれば、老後資金は多少の安心感が出るはずです。
国民年金加入者である自営業の場合は、収入が不安定であり難しい側面がありますが、国民年金保険料に加えて月額3万円~7万円程度を視野に国民年金基金や小規模共済の加入を検討、あるいは自分年金を準備しておかないと、何十年後に必ず訪れる「老後」に慌てることにもなりかねません。
年を取ってからも元気なうちは、ゆとりを持って「楽しみながら働いて稼ぐ」という選択肢も悪くないでしょう。そのためには、健康で年を重ねることが必須条件といえます。
<参考資料>
国立社会保障・人口問題研究所:社会保障統計年報
http://www.ipss.go.jp/s-toukei/j/t_nenpo_back/h26.pdf
日本年金機構:基礎年金受給額
http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=3222
<執筆者プロフィール>
石村衛(いしむら・まもる)
FP事務所:ライフパートナーオフィス代表ファイナンシャルプランニング1級技能士(CFP)
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