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富士ゼロックスの元社長で、経済同友会の代表幹事の経験もある小林陽太郎さん(82)が5日、「 慢性膿胸 」(まんせいのうきょう)のため死去されたことがわかりました。耳慣れない病名ですが、いったいどんな疾患なのでしょうか?
慢性膿胸 の原因
「膿胸」とは、胸膜が感染によって炎症を起こし、胸膜内で細菌が増殖して膿が溜まった状態を指します。胸膜は、肺の表面と胸壁の内側を覆う薄い層状の組織です。肺炎などの感染性呼吸器疾患にかかったあとや、胸腔内手術をしたあと、胸部に外傷を負ったあとなどに、胸膜内が細菌に感染することで起こります。
膿胸は、症状が現れてから3か月未満の「急性」と、3か月以上続く「慢性膿胸」に区別されます。また、病原体の種類によって結核性、化膿性、真菌性に区別されます。原因となる細菌はブドウ球菌が最も多く、ほかに肺炎球菌、グラム陰性桿菌などの場合もあります。
膿胸の症例の44%で糖尿病、肝疾患、うっ血性心不全、閉塞性肺疾患などの基礎疾患を伴うことがわかっています。また、肺結核が原因の膿胸は慢性化しやすい傾向が見られます。そのほか、アルコール依存や喫煙との関係も指摘されています。
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