「学校死ぬほどつらい子は…」弁護士が語る 図書館員のツイート 、法的に問題ない

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「学校死ぬほどつらい子は…」弁護士が語る 図書館員のツイート 、法的に問題ない

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 図書館員のツイート :図書館員の守秘義務に抵触する?

 

では、今回のツイートを、「図書館員の守秘義務」と関連させて問題視する声があるようです。詳細をみていきましょう。
図書館の守秘義務に関しては、公益社団法人日本図書館協会が1979年に決議した「図書館の事由に関する宣言」というものがあります。
その第3条「図書館は利用者の秘密を守る」の第2項には「図書館は、読書記録以外の図書館の利用事実に関しても、利用者のプライバシーを侵さない。」との定めがあります。
同協会が1980年に決議した「図書館員の倫理綱領」の第3条にも、図書館員が利用者のプライバシーを侵す行為をしてはならない旨の定めがあります。
このような定めが存在することもふまえれば、利用者利用の事実につき、図書館、個々の図書館員にも守秘義務があるといえます。
つまり、図書館や図書館員が利用者の利用の事実、利用の中身を第三者に漏洩したならば、利用者との関係ではプライバシー侵害となりえます。その場合には民事上の不法行為責任が生じるといえるでしょう。
また、図書館の組織内部の問題として、そのような漏洩行為をした図書館員はたとえば懲戒処分等の対象になることもあるかもしれません。
ただし、今回のツイートと図書館の守秘義務との関係を考えれば、同ツイートの中に「一日いても誰も何も言わないよ。」との記載があるとおり、鎌倉市立図書館は子どもの図書館の利用につき「漏洩することはない」というスタンスをとっていると見られます。これが守られる限りにおいて、守秘義務は問題にはなりません。

 

 図書館員のツイート :不登校を助長する発言?

 

学校に行きたくない子どもが今回のツイートを見て学校を休み、鎌倉市立図書館に赴いた場合、その事実を図書館は開示しないとすれば、「不登校を助長するのではないか?」との声もあがっています。
仮に、今回のツイートによってそのような不登校児が増加したという事実があったとしても、そのこと自体により、たとえば学校との間で法的責任が生じるというような問題は生じ得ません。教育(学校)に関する事務を管理執行する教育委員会が、同時に運営する市立図書館の行為により不登校児童が増えるということは、教育政策上の問題として議論の対象になりえても、法的な責任は生じません。

 

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