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執筆:Mocosuku編集部
タイヤの磨耗度 、気にしていますか?
ここ最近は異常気象気味で、天気予報を確認して出かけても「出先で急変!」などということもあります。
とくに、車で出かけることが多い人は、愛車の点検をしておきたいですね。
JAF(一般社団法人日本自動車連盟)では、このたび、タイヤの種類や状態によって起こる、降雨時の危険性について行ったユーザーテストを公開して、ドライバーに注意を呼びかけています。
詳しく見てみましょう。
タイヤの状態で意識しておきたいブレーキのかけ方
今回のテストでは、 同じサイズの4タイプのタイヤを用意して、ドライ、ウェット、2つの路面において「ブレーキテスト」を実施しました。
<用意したタイヤ>
(1)ノーマルタイヤの新品 (溝の深さ・約7.6mm)
(2)ノーマルタイヤの5分山(溝の深さ・約4.7mm)
(3)ノーマルタイヤの2分山(溝の深さ・約3.1mm)
(4)スタッドレスタイヤの4.5分山(溝の深さ・約4.5mm)
いずれも法律で定められたタイヤの使用限度(溝1.6mm)まではいっておらず、スタッドレスタイヤは、冬用としては使用限度を示すプラットホームが出ているものの、夏用としては使用可とされる4.5分山のタイヤです。
直線でのテスト
まず直線でのテストでは、時速60km(一般道を想定)と時速100km(高速道路を想定)の速度で、 ドライとウェットmそれぞれの路面状態における制動距離(ブレーキが利き始めてから車が停止するまでの距離)を、測定しました。
結果として、(1)と(2)のタイヤで時速60km走行した場合では、ドライ、ウェット路面ともに、制動距離に大きな差は見られませんでした。
しかし、(3)と(4)では制動距離は大きく変化。特に時速100kmのウェット路面の場合、(3)はドライ路面より約1.7倍。(4)では約1.4倍の制動距離を必要としました。
カーブでのテスト
また、時速60kmで半径20m円に進入し、カーブに沿ってハンドルを切りながらブレーキを踏む「旋回ブレーキテスト」でも、(3)と(4)のタイヤは、制動距離と右側への膨らみ量が大きくなりました。
つまり、法律で基準値内とされる磨耗度であっても、雨天時の路面では、速度が上がるにつれてハイドロプレーニング現象(注1)が発生しやすくなると考えられます。
注1)ハイドロプレーニング現象:タイヤと路面の間に水が入り込み、タイヤが路面に接触しなくなることで、車が水の上を滑り、ブレーキやハンドル操作が利かなくなる現象。スピンなどを起こす危険性が高い。
普段は、市街地などの一般道のみ走行しているドライバーは、なかなかこのような磨耗タイヤの危険性に気付けない可能性もあるので、注意が必要です。
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