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女性特有の症状 こんな症状のときは要注意
頻尿自体は生活習慣や環境に左右されることが多く病気ではありません。ただし、上記のような生活習慣に思い当たる節がないような場合や、頻尿がつづくことで生活に困る場合には治療の対象となる場合もあります。
とくに女性は、「骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)」や「臓器下垂(ぞうきかすい)」といって、膀胱や子宮、直腸など骨盤の中に納まっているはずの臓器が、通常の位置よりも下がってくることがあります。
そうなると、尿道が曲がってしまったり膀胱が刺激を受けたりして、頻繁に尿意を感じることがあります。つまり、生活習慣や環境によって引きおこる頻尿が問題なのではなく、骨盤臓器脱や臓器下垂が頻尿の原因となっている可能性があるということです。
とくに、妊娠・出産による「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」へのダメージや、加齢に伴って臓器脱になる人は増えてきます。
頻尿と併せて、膣に少し指を入れるだけでも臓器が触れるという場合には、臓器下垂があるかもしれません。
男女関わらず こんな症状のときは要注意
「過活動膀胱(かかつどうぼうこう)」という病気を聞いたことがありますか?
これは、膀胱に溜まった尿の量に関係なく、勝手に膀胱が収縮するために頻繁に尿意を感じるという病気です。膀胱に十分に尿がたまっていなくても頻尿になるので、排尿量は少ないのが特徴です。
以下のことに当てはまるのが大きな特徴です。
・急に尿がしたくなり、我慢するのが難しいときがある
・急に尿がしたくなり、我慢できずに尿を漏らすことがある
男性も女性も年を重ねるごとに、過活動膀胱になりやすくなります。
さらに女性は加齢に加えて、骨盤底筋群が弱っていくことが原因で過活動膀胱による尿失禁も問題になっています。
頻尿は身近なもの
これまで説明した通り、女性はとくに生活習慣や環境だけでなく、骨盤底筋群が弱っていくことが原因で、骨盤臓器脱と頻尿、過活動膀胱と頻尿、さらには尿失禁という問題を抱えがちです。
頻尿はお年寄りだけの問題ではありません。
とくに若い女性は、やせたい願望や間違ったダイエットによる筋力低下、足腰を使わない生活が骨盤底筋群を弱め、病的な頻尿を招いてしまうこともあります。
2015年度のスポーツ庁の調査では、30代の女性は運動不足の傾向と体力低下の傾向にあるという報告もあります。
「頻尿かな?」と思ったら、自分の生活習慣の見直しをしましょう。
また、生活に困るほどの頻尿に悩む場合には、我慢せずに相談することで快適に過ごせるようになります。きちんと受診をしましょう。
<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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