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あくびの生理学
これまで、生理学では「あくび」は、疲れている時など、カラダやココロが休息を求めて出る生理現象とされていました。
脳の働きが鈍くなって酸欠状態のようになると、反射的にあくびが出て、酸素を吸い込むことで、低下している脳の働きを活性化してくれる、生理的防衛反応とされていたのです。
また、「生あくび」は眠気などがないのに起こるあくびで、これは、脳が相当疲れていたり、脳梗塞や低酸素血症など病気の症状として出るので要注意!とされていました。
さらなる発展を!
あくびを「行動伝染」として捉えるのは、以上のような生理学の見方とは違った、あたらしい「あくび」への解釈ということになるでしょう。
この点は研究者の方たちも意識されているようで、行動伝染としてあくびがうつることを、脳科学などでも確認していくように、さらに研究を進めているようです。
これからの成果が期待されます。
【参考】
本田明夫、大原貴弘(2009) 「行動伝染の研究動向:あくびはなぜうつるのか」 いわき明星大学人文学部研究紀要 22
http://www.kobunsha.com/special/sinsyo/member/serial/pdf/bn008_sm0019.pdf
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
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