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和の精神や協調性の尊重:日本の集団文化
もともと「ムラ社会」から発展してきた日本文化の集団性。
周囲との調和や全体の利益を最優先するなど、欧米の個人主義とは異なった生き方を培ってきています。
どんなシーンにおいても「あなたはどうしたい?」「君はどう考える?」と、I(私)を重要視してきた欧米の文化とは対照的といってよいでしょう。
ですから、「ウチの会社ではね…」とか、「ワタシの学校では…」といった、自分自身と所属集団とを同一視するような言い回しは珍しくありません。
ピア・プレッシャーの背景には協調性や調和を重視する日本の精神的風土があります。
過剰適応:距離感の喪失
たとえば、職場の残業において、自分の業務が終わっているならさっさと帰ればよいのに、「皆が働いているから自分だけ帰れない」と思ってしまう…
これは、具体的に誰かがプレッシャーをかけているというより、本人が周囲を意識しすぎている場合も少なくありません。
さらに、「皆の意向やその場の雰囲気を壊してはいけない」と考えるようになると、「過剰適応」になっていきます。
適応とはその場になじむという意味ですが、過剰適応は「場にのめりこみ過ぎる」ことで、まじめで熱心な人ほどなりやすいといわれています。
このような場合、仲間や同僚間の相互管理(水平管理とも呼ばれます)は、ピア・プレッシャーを強めるように働きます。
そして当人はいつしか、オンとオフ、自分と相手との区別がつかない心理状態になっていきます。
いわば、自分と相手、自分と場との距離感がなくなってしまっているともいえるでしょう。
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