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低血圧のタイプと症状
低血圧は次の3つのタイプに分けられ、それぞれに特有の症状があります。
症候性低血圧(二次性低血圧)
病気や薬などが原因で低血圧になるタイプ。次のような疾患が挙げられています。
・不整脈:心拍が速すぎたり遅すぎたり、リズムが乱れている状態です。動悸・失神・意識消失とともに低血圧も一つの症状です。
・心筋梗塞:心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が動脈硬化を起こして狭くなったところに血栓がつまり、血流が止まってしまう病気です。胸の痛みなどとともに血圧も低下します。
・肺塞栓症:血栓が肺動脈に流れ込んで詰まった状態です。エコノミークラス症候群ともいいます。呼吸困難や胸の痛みなどとともに、血圧低下でショック状態になることもあります。
・甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンの分泌や機能が低下する病気です。疲れやすさやむくみなどとともに血圧の低下もみられます。
・起立性調節障害:学童期や思春期の子どもに多い自律神経失調症の一種です。血圧低下で立ちくらみが起こったりします。
この他にも糖尿病、内分泌障害、がん、薬剤の副作用など、さまざまな疾患や薬の影響による低血圧があります。
本態性低血圧
「原因がよくわからない」もので、低血圧ではもっとも多いといわれています。
体質や遺伝による影響が大きいという見方もあります。
おもに疲れやすさ、だるさ、めまい、耳鳴り、肩こり、不眠、食欲不振、集中力低下、動悸、息切れなどの症状が現れます。
起立性低血圧
起き上がったり立ち上がったりすると、急にフラッとするのが「起立性低血圧」です。
たとえば、横になった状態から急に立ち上がる動作をしたとき収縮期血圧が20ミリHg以上下がると、起立性低血圧と診断されます。脳の血流量の減少や自律神経障害などが原因に挙げられています。
この低血圧の特徴は、急に立ち上がったり起き上がったりしたときに、めまいや立ちくらみが起こるということです。
また、一時的に目の前が真っ暗になったり、気が遠くなったり、失神したりすることもあります。
さらに、冷汗・動悸・胸焼け・吐き気・みぞおち当たりの痛みなどをともなうこともあります。
血液循環の改善を!
低血圧の人は一般に、手や脚など末端部の血管の収縮力が弱く血液の循環が悪い傾向にあります。
つまり、末端部の血液が心臓にうまく戻らないのです。
これはむくみを引き起こす原因にもなります。
とくに脚の場合、「ふくらはぎの筋肉」が血液循環に大きな役割を果たしています。
ウォーキングなどの運動によって筋肉をつけて、血液循環を良くすることが低血圧改善につながるといわれています。
高齢の方のフレイル対策(※)としても同様のことが求められています。
※公益財団法人長寿科学振興財団『フレイルとは』(https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/about.html)
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