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執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
ど忘れは「度忘れ」「胴忘れ」などと辞書には表記されています。
「ど忘れ」「度忘れ」は、よく知っているはずのことをふと忘れて思い出せないこと。
「胴忘れ」には「突然まったく忘れてしまう」といった急性のニュアンスを含むと指摘する辞書もあります。
いずれにしても、ど忘れと認知症との関連は今や多くの人の関心事になっています。
今回はこの関連について、詳しく見ていきましょう。
記憶障害理解のためのキーワード
はじめに、認知症の中核症状のひとつとされる記憶障害について、基本的な情報をおさえておきましょう。
記憶のプロセス
記憶のプロセスは次の3つの段階に分けて捉えることができます。
段階1「記銘」…出来事を覚えること(短期記憶)
段階2「保持」…忘れずに記憶しておくこと(長期記憶)
段階3「想起」…必要な時に保持している記憶を思い出すこと
これら3つの働きに障害を来たすのが「記憶障害」です。
内容による記憶の分類
記憶には言葉やイメージ、運動や習慣などさまざまな種類があり、次のように分類されています。
陳述記憶(ちんじゅつきおく)
・エピソード記憶:個人的な体験や社会的な出来事の記憶
・意味記憶:固有名詞や一般的知識
非陳述的記憶
・手続き記憶:箸の使い方、自転車の乗り方など「身体で覚えている」こと
時間軸による記憶の分類
ずっと昔に覚えたことからつい今しがた覚えたことまで、現在を起点に記憶を分類する考え方です。
即時記憶:数十秒以内の短期記憶
近時記憶:数分から数日の長期記憶
遠隔記憶:数週から数十年にわたる遠い長期記憶
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