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過剰適応によるストレスの反動
一般に五月病や六月病は、真面目で頑張りすぎる気質の人がなりやすいといわれています。
こうした人たちには、一日でも早く新しい環境でよい成績を上げたい、周囲の人から評価されるような仕事がしたいと、人一倍強く動機づけがなされている傾向にあります。
ところが現実にはなかなかうまくいかず、徐々に大きなストレスと感じるようになり、やがては心身の不調へとつながっていくことも少なくありません。
真面目すぎる、頑張りすぎる人たちは、得てして人並み以上に頑張って環境に馴染んでいこうとしますので、「過剰適応」の心理状態になりやすいのです。
そして、そのツケがGWという少々長い休暇を経ることで、反動として無気力や無意欲といった形になり、いわゆる「五月病」の症状を来たすのでしょう。
五月病は医学的な病気?
五月病には、特徴的な心身の不調があります。
身体的には、めまい・はきけ・肩こりや頭痛・便秘や下痢・疲れやすさ・だるさや身体の重さ・寝つきの悪さ・熟睡感のなさ・食欲不振などです。
精神的には、気持ちの落ち込み・不安や焦り・イライラ・やる気が出ない・何をするのも面倒・判断力や思考力の低下・集中力の低下・もの忘れ・これまで興味のあったことが楽しく思えないなどです。
これらの不調を「症状」と捉えると、病気のようにも見えますが、「五月病」は正式な医学用語ではありません。
よく用いられる表現は「うつ病の一歩手前の適応障害」です。
適応障害とは一過性のストレス反応で、急激な環境変化についていけず、心身がいわば悲鳴をあげている状態です。
明らかなストレスの原因から3か月以内に症状が現れて、日常生活に支障をきたしている場合、適応障害と診断されることがあります。
また、適応障害はうつ病との類似性が高いともいわれています。
ですから五月病は、真性の適応障害やうつ病といった精神疾患などの病気と、健康な状態との中間にある心身の不調と位置づけることができるでしょう。
もちろん、放っておくと心身の病気へと移行してしまうリスクは高いと認識しておかなければなりません。
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