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睡眠障害を抱える人をサポートする役割として使われている睡眠導入剤にはいくつかの種類がありますが、 睡眠薬の種類と違い とはどのようなものなのでしょうか?それぞれの睡眠薬を飲んでからどれくらいの時間で効果が表れ、どれくらい持続するのでしょうか?
出会い系サイトで知り合った55歳に男性に、睡眠薬入りのチョコを食べさせ、男性が寝入った隙に現金やクレジットカードを奪った事件が話題になっています。昏睡強盗容疑で逮捕されたのは、東北薬科大の女子大生。自宅からは睡眠薬「ハルシオン」などの錠剤が押収されました。
眠れればいいってもんじゃない! 睡眠薬の種類と違い って?
ひとくちに「睡眠薬」といっても、睡眠導入剤にはさまざまな種類があります。これは、服用してから効果を及ぼす血中濃度がピーク時の半分になるまでの時間である「半減期」によって分類されます。この「半減期」は、睡眠効果が表れる時間や、持続時間に影響します。
一般的に、効果が表れる時間の早い睡眠薬は持続時間も短く、効果が表れるまでに時間がかかる睡眠薬は持続時間も長い傾向があります。半減期をもとにした睡眠薬は次の4つに分類されます。
(1)超短時間作用型
・作用効果時間:10~15分ほど
・作用持続時間:2~4時間ほど
服用後、すぐに血中濃度が上昇するのが「長短時間作用型」の睡眠薬です。これは、今回の事件で押収された「ハルシオン」のほかに、次のような睡眠導入剤があります。
・マイスリー
・アモバン
・ルネスタ
翌朝には血中濃度が低くなり、眠気やふらつきを持ち越すことがほとんどありません。このタイプの睡眠導入剤は、布団に入ってもなかなか寝付けなかったり、眠ろうとすると目が冴えてしまう、また眠りにつくのに30分~1時間かかってしまったりする入眠障害の人に処方されます。
一方で、長短時間作用型の睡眠薬は、一過性の前向性健忘が起こる可能性もあります。
(2)短時間作用型
・作用効果時間:15~30分ほど
・作用持続時間:6~10時間ほど
長短時間作用タイプと同様、眠気やふらつきを翌日に持ち越すことが少ない睡眠導入剤です。これには、次のような薬が当てはまります。
・リスミー
・ロラメット
・レンドルミン
寝つきが悪い入眠障害の症状のある人だけでなく、夜中に目が覚めてなかなか寝付けない、眠っても何度も目が覚めてしまう中途覚醒の症状を持っている人にも処方されます。
(3)中時間作用型
・作用効果時間:30分ほど
・作用持続時間:20~30時間ほど
翌日に寝るときにもある程度の血中濃度が保たれ、4~5日間経つと通常通りに戻るのが中時間作用型の睡眠薬です。これは翌朝にも眠気が続いたり、ふらついたりといった持ち越し効果が見られる場合が多いです。次のような睡眠薬が挙げられます。
・ベンザリン
・ユーロジン
・ロヒプノール
明け方に目が覚めてしまう早朝覚醒の症状を持っている人や、早く目が覚めてしまってもなかなか二度寝ができない人に処方されます。作用時間が長いため、翌日の日中にも眠気が残ることがあります。仕事中には注意が必要です。
(4)長時間作用型
・作用効果時間 30分~1時間ほど
・作用持続時間:50~100時間ほど
夜だけでなく翌日の日中にも維持されるため、定常状態に達するのに時間がかかるのが長時間作用型の睡眠薬です。これは次のような睡眠導入剤が当てはまります。
・ソメリン
・ダルメート
・ドラール
夜中に何度も目覚めてしまう人や、早朝に目覚めてなかなか眠れない人に処方されます。また、うつ病や精神的疾患を持っている人への薬として処方される場合も。作用持続時間が長いため、翌日も眠くなることが多く、効果が長引くため翌日であっても飲酒するのにも注意が必要です。
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