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執筆:伊坂 八重(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
皆さんは、「認知行動療法」という治療法をご存知でしょうか?
認知行動療法とは、うつ病をはじめとする精神疾患の治療法のひとつです。
最近では、わかりやすく解説された書籍が多数出版されており、一般の方にもストレスや悩みの対処に取り入れることができます。
そこで今回は、認知行動療法について解説していきます。
認知行動療法の考え方と目的
認知行動療法は、その名の通り「認知」や「行動」に着目した治療法です。
精神医学においては、うつ病などの治療に関して、科学的根拠に基づいた有効性が報告されている心理療法です。
認知とは「ものごとの見かた・受けとりかた」のことです。
私たちは、ある出来事が起こると、そのことを自分なりに解釈して受けとっています。
その解釈には、自動的に思い浮かぶイメージや思考が大きく影響します。
たとえば、あなたが知人に久しぶりに連絡したとしましょう。
しかし、相手からは数日間返事がありません。
そんなとき、あなたはこの出来事をどのように解釈するでしょうか?
「今は忙しいのかもしれない」とあまり気にしない人もいれば、「自分のことを嫌いになったのではないか」と思い悩む人もいるかもしれません。
つまり、同じ出来事でも、人それぞれ思い浮かぶ気もちや考え(自動思考)に違いがあり、それによってものごとの見かた・受けとりかた(=認知)も変わってくるということです。
さらに、認知の違いは行動にも影響を与えます。
今回の例では、「忙しいのかもしれない」と思った人は「もう少し待ってから、連絡してみよう」という行動をとるかもしれませんし、「自分のことを嫌いになったのではないか」と思った人は「今後連絡をとるのは控えよう」という行動をとるかもしれません。
このように、同じ出来事でも、自動思考によって認知や行動に個人差が生まれます。
認知行動療法は、自動思考に着目しバランスの良い考え方に修正する治療法です。
ストレスの軽減を目的としています。
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