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執筆:井上 愛子(保健師)
監修:坂本 忍(医師)
夫に先立たれた哀しみによってさまざまな症状が現れる…。
一部では「夫ロス」という名で認知されているのだとか。夫に限らず、恋人や家族など最愛の人に先立たれたことで起こる症状として「複雑性悲嘆(ふくざつせいひたん)」があります。
ここでは、かつて「夫ロス」に苦しんでいた小林すすむさんの妻・昭子さんの事例を通して紹介していこうと思います。
配偶者を失うことによるストレス
1980年のお笑いブームの中、『オレたちひょうきん族』にレギュラー出演していた小林すすむさんの妻・昭子(あきこ)さん。「夫ロス」に苦しんでいたことをTV番組(『爆報THEフライデー』(2015年7月24日放送)で打ち明けていました。
昭子さんは1991年に結婚し、「仕事以外、どこに行くのも一緒」というほど、すすむさんとはとても仲のよい夫婦だったそうです。
しかし、その幸せな結婚生活は2012年、わずか20年で幕を閉じます。
すすむさんが「スキルス性胃がん」と「肝硬変」により、58歳という若さで亡くなったからです。あまりにも早い別れが受け容れられず、昭子さんは誰もいない部屋で一人話しかけ、夫の声を待ち続ける日が続きました。
友人たちが心配して交代で家を訪れたりもしましたが、すすむさんを亡くした悲しみは消えず、突然「どこにいるー?イヤァー!」と大声で呼んだり、泣き叫ぶことも一度や二度ではありませんでした。
このように、大切な人を失い、嘆き悲しむ気もちが長い期間、激しく続く状態を「複雑性悲嘆」といいます。
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