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椎間板ヘルニアのメカニズム
私たちの背骨は、小さな骨が積み木のように重なって一本の背骨をつくります。
背骨をつくる小さな骨の間には椎間板というクッションの役割をもった弾力性のある組織がサンドイッチされています。
この椎間板はちょうどバームクーヘンのようなつくりをしています。真ん中は「髄核(ずいかく)」といわれ水分の多い柔らかい組織です。そのまわりを「線維輪(せんいりん)」という少し硬い組織が取り囲んでいます。
この椎間板があることで、うごいたときの衝撃が吸収され、スムーズに運動することができるのです。
ただ何かのきっかけで椎間板が破れ、なかの髄核が飛び出してしまうことがあります。
背骨の後ろには「脊髄(せきずい)」という大きな神経の束があります。そして背骨のまわりにもたくさんの神経があります。
髄核がとびだしてしまうと、まわりの神経を圧迫したり、傷つけたりするために、痛み、しびれ、からだのマヒなどがおこってしまうのです。
ヘルニアの原因について
ヘルニアは比較的よく知られた病気ですが、じつはその原因については謎が多く、詳しいことはわかっていません。
重い荷物をもつ仕事や作業、スポーツなどが原因になるともいわれますが、最近の研究によって科学的な根拠が乏しいといわれるようになりました。一方で、現在注目されている原因として喫煙と遺伝があります。
喫煙する人は、椎間板ヘルニアをおこす確率が、しない人の10倍高くなると報告されています。
1日あたり10本タバコを吸うことで、ヘルニアになるリスクが20%上がるともいわれています。
また最近ヘルニアは遺伝と関係しているという研究報告もあります。日本の理化学研究所が、ヘルニアの原因には遺伝子との関係があることを発表し、医学的も大きな注目を集めているのです。
このように、ヘルニアはその原因がまだはっきりとしないところが多いです。
そして“スポーツや重労働もヘルニアの原因ではない”と否定されているわけではありません。
現時点では、作業やスポーツ、喫煙、遺伝、加齢といったいろいろなものが重なっておこるのではないかと考えられています。
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