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「運動の秋」と呼ばれている理由は?
それでは、秋が運動に良い、とされる理由にはどのようなことがあるでしょうか。
よく取り上げられる事象をご紹介しましょう。
運動に向いている気温
気象庁によると、2016年の東京の月別平均気温は、9月が24.4℃、10月は18.7℃、11月で11.4℃です。
さすがに11月になると寒くなってきますが、おおむね秋は「運動しやすい気温」と言えるでしょう。
気温だけをみると春から夏にかけても良さそうですが、梅雨時もありますし、とくにアウトドア系の運動には、やはり秋の方が適しているようです。
基礎代謝が上がりやすい季節=ダイエットに最適
日本人は欧米人と違い、季節によって基礎代謝量が変わります。
基礎代謝とは、「何もせずじっとしていても、生命活動を維持するため生理的に行われる活動」に必要なエネルギーのことです。
これが、春から夏にかけて下がり、秋から冬にかけて上がっていきます。
つまり、秋になると食べたものがエネルギーになって消費されやすくなるのです。
ダイエットをめざす運動などには、太りにくく痩せやすい秋に効果が期待できるということです。
秋の食欲との関連
秋は米、野菜や果物、魚など「実りの秋」とも呼ばれます。
今では一年中美味しいものを食べられるようになりましたが、古来、食べ物がいちばん豊富な季節でした。
加えて、やがて到来する厳しい冬に備える、という意味も込められ、秋は食欲が旺盛になりがちです。
ですから、食べてばかりだと太ってしまうので運動をしよう、という動機も生じやすくなります。
社会的動機づけ:体育の日
もともと秋は天候が安定して晴天が多く、作物も豊かで基礎代謝も上がる…といった、運動に適している自然や身体条件が整っていました。
そのこともあってか、東京オリンピック開会式が行われた1964年10月10日が、1966年に国民の祝日「体育の日」とされました(2000年より10月の第2月曜日)。
このように、各個人にとどまらず、社会としても運動に親しむよう動機づけるような風潮ができました。
これもまた、「運動の秋」を促進するのに一役買っているでしょう。
健康増進のために生活習慣を整えるような運動を適度にすることは、秋に限ったことではなく、今や1年中必要になってきています。
「運動する必要があるのにやっていないな!」という人は、気候や代謝、社会のトレンドの後押しを得て、秋に運動を始めてみてはいかがでしょうか?
【参考】
・楽天リサーチ:https://research.rakuten.co.jp/report/20120827/
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
助保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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