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現代版「いい夫婦」像
『「いい夫婦の日」をすすめる会』は、法人や団体が協賛し「日本中のご夫婦にいっそう素敵な関係を築いていただきたい」という趣旨により発足しました。
同会では、11月22日を語呂合わせから「いい夫婦の日」として、毎年イベントなどを開催しており、その一環で「『いい夫婦の日』夫婦に関するアンケート調査」(※)を実施しています。
最新版のアンケート調査結果から、現代の良き夫婦像を垣間見ることにしましょう。
夫婦円満のために大切なこと(全体、複数回答可)
1位:話をする・聞く
2位:ほどよい距離感(干渉しすぎない)
3位:信頼する
4位:コトバにして感謝を伝える
5位:ふたりで出かける
適度な距離感をもって、話をしたり聞いたりするというのは、何でも話し合う「家庭内協力」とも、何でも夫の云うことに従う「夫唱婦随」のどちらでもないように思えます。
とくに、年配で結婚歴の長い夫婦にこの回答が多かったのが特徴的です。
超高齢社会を迎え、夫婦の連れ添う期間が相当長くなったことに起因するのでしょうか。
夫婦で一緒にしていること(全体)
1位:買い物
2位:外食
3位:国内旅行
4位:ドライブ
5位:料理以外の家事
結婚歴5年未満の夫婦では「育児」がベスト4に入っていますが、全体では6位でした。
また、「自分たちは円満」の回答者は「外食」「買い物」が上位でしたが、「円満でない」の回答者は「とくに一緒にしていることはない」が上位でした。
夫婦で会話するときの話題(全体)
1位:お子さんについて
2位:休みなどの予定
3位:食事や食べ物
4位:健康・体調
5位:仕事・会社
若い夫婦では「休みの予定」「食べ物や食事」「仕事・会社」が上位でしたが、年配になると、「健康・体調」「食事や食べ物」「お子さんについて」と、年代により話題のジャンルが違います。
また、円満な夫婦では「休みの予定」「食事や食べ物」「健康・体調」と、共通の話題が活発であるのに対して、円満でない夫婦は「とくに夫婦で話すことはない」と答えています。
ほどよい距離感を保ちつつ、さまざまな話題や活動を共にして仲良く付き合う、というスタンスが、現代版「いい夫婦」のお手本なのかもしれませんね。
かつて夫婦の会話といえば「風呂・寝る・飯」だったことを思うと、隔世の感があります。
※出典:『いい夫婦の日』夫婦に関するアンケート調査概要(http://www.fufu1122.com/event/questionnaire/questionnaire2016.pdf)
・対象:全国の男女18~69歳の既婚者(有効回答数は1,000)
・調査方法:インターネットによる調査
・調査期間:2016年10月14日~17日
・調査目的:夫婦としての現状の「気持ち」「暮らし」「コミュニケーション」などの実態と、「いい夫婦の日」の認知度をサーベイすること
横のつながりを大切に
一昔前の日本では、夫婦関係よりも親子関係が優先される傾向にありました。
いわゆる「タテ社会」です。
「親孝行」「跡取り」「嫁姑」などは、親子関係を象徴するコトバです。
そんな伝統も、夫婦関係という「ヨコのつながり」を大切にする時代に、少しずつシフトしてきたのでしょうか?
「ヨコのつながり」のあり方も、世代によって異なるでしょう。
そして、これから時代が進むにつれて、ますます多様に変化していくのかもしれません。
西洋では昔から「パートナー」と、夫婦関係が家族の基軸でした。
和魂洋才(日本の伝統的な精神を忘れず、西洋の文化も学んで両者の長所を調和させること)といわれる日本でも、ここにきてカタチだけでなく、ココロも「ヨコ志向」になってきたと解してよいのでしょうか。
さて、皆さんは「良い夫婦関係」について、どのようなご意見をお持ちですか。
今夜はちょっとスマホを置いて、パートナーとの会話に取り上げてみてはいかがでしょう。
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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