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執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
正式には「アトピー性皮膚炎」と呼ばれるアトピー。
皮膚にかゆみを伴う湿疹ができる病気です。
原因はさまざまで、たとえば、皮膚の乾燥、ダニやカビなどのアレルゲン、刺激の強い化粧品など、アトピーを発症させる「環境的な要因」が多く指摘されています。
「環境的要因」という観点からは、誰もがなりうる病気ともいえるでしょう。
それでは、遺伝の影響についてはどうでしょうか。
今回は、アトピーの基本情報と現状をおさえつつ、アトピーと遺伝との関係についてご説明いたしましょう。
アトピー患者の実態
アトピーの患者数は年々増加傾向にあります。
厚生労働省の患者調査では、2002年は279,000人 ⇒ 2008年は349,000人 ⇒ 2014年には456,000人という結果が出ています。
また、アトピーは幼児期に発症するケースが多いのですが、近年は、成人になってから発症する例も増えてきました。
ちなみに、アトピーを原因とする皮膚症状は、年代によって次のような傾向が指摘されています。
乳児期:顔や頭、首や前胸部にゴマ粒大の斑点が発生する
幼児期:皮膚がカサカサになり、肘や膝に赤い発疹が出て、ひっかき傷が加わる
小児期:皮膚がカサカサで、肘や膝の皮膚が分厚く硬くなり、淡い褐色の色素が沈着する
思春期:引き続き皮膚がカサカサで、肘や膝の皮膚が分厚く硬くなり、また、顔から首や肩にかけて乾燥した発疹がみられるようになる
成人期:身体全体の皮膚がカサカサで発疹が発生し、肘や膝の皮膚は分厚く硬く、首にはさざ波のような色素沈着がでてくる。また、顔は全体に赤くなり、ときどき腫れて、ジュクジュクとした透明の浸出液を流すようになる
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