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執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
においを感じる「嗅覚」には「嗅覚順応」という特徴があります。
たとえば最初は嫌な臭いと感じたのに、いつの間にか気にならなくなる…
そんな時間の経過とともににおいの感覚が減退するような性質です。
ですから、においがしない、感じにくい、といった嗅覚機能の異常に気づくのは意外と難しいようです。
それでは、嗅覚障害とはどのような疾患なのでしょうか。
詳しく解説していきます。
嗅覚障害の定義
日本鼻科学会の「嗅覚障害診療ガイドライン」によれば、嗅覚障害はにおいを感じる感覚の一つ「嗅覚」に何らかの異常が生じている状態を指します。
においを感じにくい、全く感じないのは「量的障害」で、嗅覚低下や嗅覚脱失といいます。
また、においの感じ方に異変が起こるのは「質的障害」で、本来のにおいとは異なるにおいを感じる「刺激性異嗅症」、何もにおいはしないのににおうと感じる「自発性異嗅症」があります。
異嗅症は量的障害にともなうことが多いといいます。
さらに質的障害には、「嗅盲(=特定のにおいがわからない)」、「嗅覚過敏(=ごく軽微なにおいが不快)」、「悪臭症(=副鼻腔炎や扁桃炎などによる悪臭)」、「自己臭症(=自分が臭いと思い込む)」、「幻臭(=統合失調症など心因性の病気の一症状であることが多い)」なども挙げられます。
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