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執筆:柳澤 厚生(医師・医学博士)
気象庁の発表によると、2017年は6月7日に四国地方から関東地方が一斉に梅雨入りしました。
この季節は真夏のような暑さの翌朝には、朝から雨がシトシト降って肌寒い、という日もあり、気温差に体がついていけず体調不良をおこしやすくなります。
またエアコンの使用もはじまるので室内外の温度差も大きくなります。
先日も長引く咳を訴える患者さんがクリニックに相談に来られました。
今回はこの患者さんのケースをもとに、梅雨時に気を付けたいことをご紹介していきます。
咳の原因は「アレルギー」?
長引く咳の背景には、結核に代表される呼吸器の感染症や気管支喘息に代表されるアレルギー疾患などが隠れている場合があります。
単なる風邪と思わずに、呼吸器内科の専門医の受診が必要です。
また咳は1回・2kcalものエネルギーを消費するとも言われています。
咳が続くと疲労を感じやすくなるだけでなく夜中に起きると睡眠の質が下がります。
「先生のおかげで、早めに適切な治療を受けたので咳が止まりました。血液検査や問診で咳がひどくなる時間や場所、季節の話しをしたら部屋のカビが原因かもしれないと言われて驚きました」
これは長引く咳を訴えていた患者さんの声です。
アレルギーは、ダニやハウスダスト、カビなどの抗原に対して、体内で抗体が生じることで炎症につながります。
気管支に炎症が生じて気道が狭くなり、止まらない咳や呼吸困難などの症状を起こすのが気管支喘息です。
マンションなどの密閉性が高い住宅では、カビなどを排除しづらく、梅雨時に窓を閉めた状態でエアコンをつけると、エアコン内のカビが空中を舞ってしまうことがあります。
掃除機をかけても、空中に舞ったカビを排除することはできません。
住宅の密閉性の高さゆえに、カビに対するようなアレルギーを起こしやすいのです。
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