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執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
平日は普通に食事をしているのに、金曜日の夜から日曜日にかけて、食欲が抑制不能になったかのようにたくさん食べてしまう「週末過食」。
もしかすると、それは身体が発している何らかのメッセージかもしれません。
「週末過食」はお勤めしている人には誰にでも起こり得る現象です。
原因や懸念される身体へのリスク、「週末過食」に陥らないための対策ポイントなどを管理栄養士が解説します。
「週末過食」の原因は?
食べることは、からだとこころの栄養となり、生命を維持する上で重要な行為です。
それゆえ、食欲に関わる身体のメカニズムはとても複雑です。
「食べたい」という欲求は、脳の視床下部にある摂食中枢の活動によって起こります。
摂食中枢を刺激する要因はさまざまですが、おもに次のようなシグナルがあります。
飢餓のシグナル
血糖(血液中の糖質量)が下がる、胃が空っぽになる、空腹を感じさせるホルモンが分泌されるなど、身体が飢餓状態にはいることがシグナルとなり、摂食中枢が刺激されます。
脳内物質からのシグナル
摂食中枢を刺激する脳内物質としては、代表的な「ドーパミン」をはじめいくつかの物質が発見されています。
ドーパミンは「快楽」の感覚をコントロールしています。
食べることは「満足感」「陶酔感」といった快楽の感情を生みます。
そのため、強いストレスがかかったときに「やけ食い」「やけ飲み」をするといった、快楽を得るために食べる、という反応を起こすことがあるのです。
とくに「糖質」や「脂質」は快楽の刺激につながることがわかっています。
週末過食の場合、「空腹感や満腹感に関わらず食べてしまう」「スイーツやスナック菓子が無性に食べたくなる」という状態に入り込みやすいといえます。
平日に仕事や学業に取り組んでいるときは、多かれ少なかれストレスがかかり、やりがいを感じる一方で自分の欲求を抑え込むこともあるでしょう。
その反動から、休日は欲求のままに過ごしたい、頑張った自分に満足感を与えたい…という気持ちになると推察できます。
そのような心理状態のときに、手早く欲求を満たす方法のひとつが「食べる」という行為なのです。
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