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重量「50%」のカラクリ
食品を買うときは、それがいつ、どこで作られ、添加物やアレルギー性物質、遺伝子組み換え食品などが使われていないか、パッケージを裏返して食品表示をチェックします。
必要な情報を読める大きさの文字で、限られたスペースにすべて表記するのは、なかなか難しいという問題もあります。
食品表示法では、加工食品によって「含まれる原料や添加物の重量が50%未満だったら原産地を表示しなくても良い」となっています。例えば、乾燥キャベツ:乾燥ニンジン:乾燥ダイコン=4:3:3の割合の重量で混合していた場合、原産地を表示しなくても良いのです。
また、表示欄のスペースがおおむね30平方センチメートル以下しか取れない場合は、原産地表示を省略できます。
国産牛と和牛の違い
「国産牛」も「和牛」も同じだと思っている人は多いのではないでしょうか。
ところが、同等で見るのは違います。
和牛の原産地は国内ですが、和牛とは「品種名」なのです。ちなみに和牛は黒毛和種(松坂牛、神戸ビーフ、近江牛、米沢牛)、褐毛和種(土佐牛、肥後牛)、無角和種(無角和牛)、日本短角種(八甲田牛、十和田牛、たんかく和牛)の4種のみを指します。
一方、国産牛とは、日本で生まれ肥育された牛をさします。
今ままでは、外国産の牛も3か月以上国内で肥育すれば国産牛と表記できました。しかし今回の食品表示法では、国内の肥育期間が3か月以上という縛りはなくなりました。
生体のまま日本に輸入された牛で、原産国の生育期間より国内の生育期間が長い牛であれば「国産牛」と表記できるルールに変更されました。原産国よりも国内での生育期間が短ければ、原産国を明確に表記する必要があります。
「原産地を気にする」「国内産を選ぶ」など、食に気を使っている人にとっては、食品表示法の施行により、情報量と選択肢が広がります。
それと同時にこれまで「安全・安心」と信じて手に取っていた「国産」と書いてあった食品が、細かく見て行くと、外国産の原料が4割は含まれているかもしれませんし、外国生まれかもしれません。
今回の改正を期に、本当に「安全・安心」と言える日が来ることを望んでいます。
【参考】
消費者庁『生鮮食品品質表示基準改正(畜産物の原産地表示)に関するQ&A』(http://www.caa.go.jp/foods/qa/seisen02_qa.html#a01-1)
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