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低ナトリウム血症の対策法は?
「水分補給はのどが渇く前に」ではなく、「水分補給はのどが渇いたら」へと変わってきています。かといって、水分摂取量が少ないと、熱中症になる可能性もあります。
ここでは、水分摂取の3つのポイントをご紹介します。
1.水分をがぶ飲みしない
がぶ飲みをすることで、ナトリウム濃度が薄くなってしまいます。失った分だけ補っていくことが基本になります。
1日の中でヒトの身体から出る水分量は、尿や便が約1000~1500ml、呼吸や皮膚からの蒸発など、生理的に失われるのが約1000ml。合計2000~2500mlです。
身体に入る水分は、食事が約1,000ml、身体の中での代謝水が約200mlですので、不足を補うためには飲料水として1日約800~1300ml必要になります。
さらに汗の量が増えると、その分必要な水分量が増加します。ただ、1日の必要な水分量を一気に大量に摂取しては低ナトリウム血症のリスクとなります。1回に100~200ml程度ずつ摂取することを心がけましょう。
2.水分の質
食事が摂れていて適度な発汗量であれば、水だけの摂取で十分ですが、発汗量が多い場合にはナトリウムの補給が必要。ですので、「経口補水液」による補給が理想的です。
というのも、水分の吸収には「温度」「塩分濃度」「糖分濃度」が関係しています。最も水分を吸収しやすい温度は、コップの表面が汗をかく程度の5℃~15℃、塩分濃度は0.1~1.3%、糖分濃度は1.0~3.0%です。
これにあたるのが「経口補水液」なのです。そのため、食べられない場合には「経口補水液」を活用するということも、低ナトリウム血症の予防に有効です。
3.水分摂取のタイミング
水分の摂りすぎを防ぐために、「のどが渇いたら」補給するということがいわれています。失った分を補給していくことが大切になるので、少量をこまめに摂ることをおすすめします。
高齢者の場合は、のどの渇きに気がつきにくいため、定期的に摂取するなどの配慮が必要です。
このようなポイントを意識して水分を摂取することが大切ですが、食事をきちんと摂ることもまた重要です。
普通に生活する上では、3食きちんと食事をしていればナトリウム不足になることはないといわれていますが、食事の欠食があるとナトリウム不足に陥りやすくなります。夏場は食欲が落ちてしまうことも多いでしょうが、食べやすいものを食べ、欠食しないよう心がけることが基本になります。
夏だけではない!?低ナトリウム血症
夏は水分補給の機会が多く、汗をかくことも多いため、身体の電解質のバランスが崩れて低ナトリウム血症を起こしやすくなります。ですが、ホットヨガなどの汗をかく運動などでも発症しやすいです。
夏だけでなく、季節に関係なく対策していきましょう。
<執筆者プロフィール>
桜 イクミ(さくら・いくみ)
管理栄養士・健康運動指導士・フードスペシャリスト
株式会社 とらうべ 社員。病院での栄養管理・栄養指導の経験を経て、現在は企業で働く人の食と健康指導を行っている
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