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まずは自分でできるトレーニングと骨盤底筋に優しい生活
膣のゆるみは、骨盤底筋群のトレーニングをすることによって改善されていきます。
まず膣の壁を内側に持ち上げるつもりで、キュっと締めてみましょう。
ただし、コツをつかむまでは膣を締める筋肉を意識しているつもりでも、肛門にばかり力が入ってしまったりすることがあります。
また、骨盤底筋群の力が弱すぎるあまり、膣を締めているつもりが、お腹にばかり力が入ってしまうこともあります。そうすると、逆に臓器(子宮や膀胱、直腸)を外に押し出すような力がかかってしまって逆効果になってしまいます。
慣れるまでは、膣に指を入れてみて思ったところに力が入っているのかを確認しながら行うと良いでしょう。
またトレーニングだけではなく、骨盤底筋群に優しい生活をこころがけることも重要です。
骨盤底筋群は、臓器を支えたり、身体の軸をしっかりさせたりするためのインナーユニットです。そのため、排泄以外の時はつねに緊張しっぱなしの筋肉です。ですから、余計な負担をかけすぎないように注意が必要です。
たとえば、便秘のために硬い便をいきんで出すことが習慣になっていたり、重いものを持つことや介護などの力仕事が続いたりする場合には、負担が大きくなってしまいます。
便秘の改善や、重いものを持つときには、膣を締めることを意識したうえで踏ん張るようにすると良いでしょう。
骨盤底筋群のトレーニングによって、膣のゆるみだけでなく、尿漏れの予防や、「骨盤臓器脱(子宮や膀胱、直腸が膣から下がってくる)」といった骨盤底筋群が緩むことによって起こってくる不具合も予防できます。
治療を検討する目安は?
出産後はとくに、膣のゆるみだけでなく子宮が膣のなかに下がってくる感じや、尿漏れ、便もれなどの他の症状があるときには、我慢せずにきちんと婦人科で診察をうけましょう。
また膣のゆるみを治療したいという場合には、誇大広告に惑わされずに信頼できる医療機関を選びましょう。
たとえば、女性の身体の専門である婦人科医や、女性泌尿器科(尿漏れ・骨盤臓器脱などの場合)などの専門的な医師が、きちんと診察をしたうえで相談にのってくれる医療機関を受診すると良いでしょう。
<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通。