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肩こりの分類
肩こりを訴えるものを分類すると、「原因となる疾患名がついていない肩こり」「整形疾患が原因となる肩こり」「整形以外の疾患に関連した肩こり」の3つになります。
一つずつ詳しく見ていきましょう。
原因となる疾患名がついていない肩こり
・ストレス
精神的なもの、クーラーによる冷えすぎ、同じ姿勢でいることなど
・姿勢
猫背、なで肩、ストレートネック、長時間のコンピューター作業、同じ肩に鞄を掛けるなど
・運動不足
身体を動かさないと筋力や血流が低下する
・眼精疲労
スマートフォンやパソコンを使った作業、視力があわない眼鏡など
・歯の問題
虫歯、歯のかみ合わせが悪い
整形疾患が原因となる肩こり
・肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)
四十肩、五十肩のこと。発症した年齢で呼び名が変わる。加齢により肩の関節が炎症を起こした結果、腕が上がらなくなる病気。
・頸椎(けいつい)症
頸部脊椎(けいぶせきつい)症と同義。老化からはじまる加齢性(変性)疾患。中高年に好発。首や肩の痛みからはじまる。手足のしびれを感じることも。
・頸椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア
頸椎症に広い意味では含まれる。
・変形性頸椎(へんけせいけいつい)症
慢性的に肩こりや首の痛みを生じる。症状が進むと頸椎椎間板ヘルニアの恐れあり。
・頸肩腕(けいけんわん)症候群
レントゲン検査等で明らかな異常が認められないにも関わらず、首、肩、腕に痛みやしびれがある。
・頸椎捻挫(けいついねんざ)
むちうち症。頚のレントゲンでは正常で変化がないもの。
・胸部出口症候群(きょうぶでぐち)
心臓から続く血管が、胸郭を出た所で神経とともに圧迫されておこる病気。
整形以外の疾患に関連した肩こり
・高血圧症(低血圧でも起こりうる)
血圧以外の原因によって起こっているケースが多い。
・狭心症
胸の痛みや圧迫感しめつけ感のほかに、左肩から腕にかけての痛みが出る場合がある。
・更年期障害
肩こりの他、ほてりやのぼせ、発汗、動悸などもおこる。
・うつ病
気のせいかなという程度の肩こり、頭痛などのからだの症状からはじまり徐々に悪化していく。
・貧血
筋肉への酸素供給が減ることで、筋肉内に疲労物質がたまって起こる。
肩こりへの対処と予防
肩こりは早めの対処と予防が大切です。自分でできる対処法として次のものがあります。肩こりに悩んでいる方は、試してみてください。
同じ姿勢を長く続けない
蒸しタオルなどで肩を温めて筋肉の血行を良くしたり、筋肉の緊張をやわらげる
適度な運動や体操をする
入浴などの方法でリラックスする
枕の高さを合ったものに変えるなど、就寝時の姿勢を改善する
マッサージを行う
筋肉を強化するために、運動を行う
市販されている薬を使う(シップ薬、筋弛緩(きんしかん)薬、非ステロイド性消炎薬など)
市販されている装具(頸椎カラー)などを使う
原因となる病気が明らかであれば、その治療が優先されます。まず、整形外科医に相談しましょう。
たかが肩こり、されど肩こりです。仕事でパソコンに向かうことが多く、プライベートでもスマホが大多数の現代、肩や目は酷使される一方ですし、加齢も加わります。
生活改善を行い、辛いときには、我慢せずに整形外科などで診察を受けましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
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