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執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
そのままポリポリかじることもできて、サラダやお漬物にも欠かせない、食べやすい野菜のひとつ「きゅうり」。
しかし「世界で一番栄養がない野菜」という不名誉な認定を受けたとか受けないとか…そんな噂も聞かれます。
きゅうりに含まれる栄養って、本当のところはどうなのでしょう?その真実とは?
「きゅうりには栄養がない」の経緯
冒頭で触れた「世界で一番栄養がない野菜」という不名誉な噂が広まった背景には事情があります。
実は1987年にギネス世界記録で、きゅうりの栄養価について「Least calorific fruit」と登録されているのです。
これを訳すと「カロリーが最も低い果実」です。
ご存知のとおり、カロリーとは体内でエネルギーとなる際の単位を表しています。
また、エネルギー源となる栄養素は、糖質・たんぱく質・脂質です。
つまり、きゅうりはこの3つの栄養素が最も少ない果実…という認定を受けたわけです。
しかし現在では、健康維持や美容のためには、この3つの栄養素以外に、ビタミン・ミネラル・食物繊維など、多くの栄養素が関わっていることが分かっています。
残念ながら、認定された当時の記録ではこれらの要素には全く触れられていません。
事実、きゅうりは95%以上が水分ですが、そのほかにも次のような身体に嬉しい栄養素が含まれています。
カリウム:身体の水分調整をして、むくみ予防や改善に働きます。
ビタミンK:骨の形成を助け、骨を丈夫にします。また、出血したときに血液を固めて止血する働きも持っています。
ククルビタシン:唾液や胃液など消化液の分泌を促し、食欲増進や消化を助ける作用をします。
ピラジン:キュウリ独特の青臭さのもとになる成分です。細胞の酸化(=老化)を抑える抗酸化物質です。
ホスホリパーゼ:脂肪の分解に働く酵素で、脂肪蓄積を抑えるサポートをします。
とはいうものの、きゅうりの場合これらの含有量はさほど多くはありません。
ですから、さまざまな食材のなかで手軽に扱える野菜の一つとして、毎日の食事にきゅうりを取り入れるとよいでしょう。
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