「マクロビオティック」は日本発祥? どんな健康法?

Mocosuku(もこすく)
  • 「マクロビオティック」は日本発祥? どんな健康法?

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

「マクロビオティック」は日本発祥? どんな健康法?

公開日時

マクロビオティックの原則

 
それでは、マクロビオティックはどのような特徴をもった食事法なのでしょうか。
 
3つの原則をご紹介します。
 

身土不二(しんどふじ)

 
「身体(身)と土地や環境(土)はバラバラではない(不二)」これはマクロビの基本的な概念です。
 
平たく言うと、その土地で育った旬の食材を摂ることで、環境に適応した身体が作られ健康な生活を送れる、という意味です。
 
たとえば、四季のある日本では、季節ごとの旬の食材に身体のバランスを保つ栄養素が含まれています。
 
「春は苦味、夏は酸味、秋は辛味、冬は脂肪を摂れ」という言葉があります。
 
言わんとするところは、春は山菜などの苦味を摂取して新陳代謝を活発にし、夏は酢をはじめとした酸味を使って食中毒を予防、夏バテに負けないよう食欲を増進。
 
そして、秋になると辛味を摂取して夏の疲れが溜まった身体を整え、冬には寒さに耐えうる体力や皮下脂肪をつけるため脂肪を摂る、ということです。
 
たとえば、夏野菜のトマトやキュウリは水分が豊富で熱を冷まします。
 
一方、冬野菜のゴボウやニンジンは水分が少ないので加熱調理して食べることが多く身体を温めます。
 
このように旬の食材を積極的に摂ることで健康維持が可能になります。
 

一物全体(いちぶつぜんたい)

 
食材は丸ごと全てでバランスがとれているため、全てを摂ることで身体のバランスもとれるという意味です。
 
たとえば、精米していない玄米、野菜や果物は皮や葉、種ごと、アクなどもできるだけ取り除かない…などを実践すると栄養素を余すことなく摂取できるという考えです。
 

陰陽の調和

 
「物ごとには陰と陽の側面があり、その調和をはかることでバランスが保てる」という考えです。
 
「陰」は拡散していく遠心的なエネルギーで身体を冷やす働き、「陽」は収縮していく求心的なエネルギーで身体を温める働きがあるとされています。
 
この陰陽の原理をもとにして、食材や調理法の性質を判断しながらバランスをとるように選択します。
 
 
なお、動物性食品の摂取については、基本的には控えることが勧められているようです。
 
身土不二や一物全体の考えに基づくと植物性食品が中心になりますが、丸ごと食べられる小魚は摂っても良いとされています。
 
重要なたんぱく質の摂取源である動物性食品の代わりに、植物性食品でたんぱく質が豊富な大豆製品や麩などを積極的に取り入れるていくことでバランスがとれるといいます。
 
 

簡単マクロビオティックレシピ

 

豆たっぷりの和風トマトリゾット

 
<材料>(2人分)
 炊いた玄米200g 玉ねぎ1/2個 にんにく1かけ
 菜種油小さじ1 ミックスビーンズ100g トマト缶1/2缶 
 豆乳100cc 水50cc 味噌小さじ1 青のり小さじ1
 
<作り方>
①深めのフライパンに油をしき、みじん切りにした玉ねぎとにんにくを炒める
②トマト缶、豆乳、水、玄米、豆を加えて弱火で煮る
③水分が減ってとろみが出てきたら火を止め味噌を加え混ぜ、器に盛り付けて仕上げに青のりを飾る
 
 夏野菜で身体を冷やす「陰」の食材であるトマトを煮込み、身体を温める「陽」として取り入れられるレシピです。
 
また、動物性食品が少ないと鉄分が不足しがちですが、青のりは植物性食品ながら鉄分を補える優秀食材です。
 
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【食事】新着記事

妊婦さんはとくに気をつけたい、チーズなどにいる細菌「リステリア」

妊婦さんはとくに気をつけたい、チーズなどにいる細菌「リステリア」

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 妊娠中はお腹の赤ちゃんのためにしっかりと栄養を摂りたいもの。 しかし、なかには妊婦さんが控えたほうが良い食品もあり...

2019/08/02 18:30掲載

大ブレイクの「タピオカ」 健康・美容的に見た評価は?

大ブレイクの「タピオカ」 健康・美容的に見た評価は?

執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー) 医療監修:株式会社とらうべ 独特な食感と豊富なバリエーション、インスタ映えする見た目などから、若い女性を中心に大ブレイクして...

2019/07/30 18:30掲載

『苦くてまずい』はもう古い?実は栄養満点の気になる野菜『ケール』とは

『苦くてまずい』はもう古い?実は栄養満点の気になる野菜『ケール』とは

執筆:磯野 梨江(管理栄養士) 医療監修:株式会社とらうべ ケールと聞いて青汁を連想される方も多いのではないでしょうか? なんとなく苦くて不味いイメージが強いですが、ケールには現代人に不足しがちな栄...

2019/07/23 18:30掲載

フルーツはいつ食べる? 『朝は金、昼は銀、夜は銅』ってどういうこと?

フルーツはいつ食べる? 『朝は金、昼は銀、夜は銅』ってどういうこと?

執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー) 医療監修:株式会社とらうべ フルーツは健康や美容によい栄養素を摂取できる食品として、私たちの食生活に浸透しています。 ...

2019/07/12 18:30掲載

乳児用「液体ミルク」解禁! メリット・デメリットや注意点

乳児用「液体ミルク」解禁! メリット・デメリットや注意点

執筆:座波 朝香(助産師・保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 2019年春、乳児用「液体ミルク」の国内での販売が解禁されました。 このことを受け、従来の粉ミルクとの違いや、メリット・デメリ...

2019/07/09 18:30掲載

乳酸菌の「動物性」と「植物性」は何が違う? 選ぶなら??

乳酸菌の「動物性」と「植物性」は何が違う? 選ぶなら??

執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー) 医療監修:株式会社とらうべ 「乳酸菌」に期待される健康効果から、数多くの関連食品が出回り市場規模は年々拡大しています。 ...

2019/07/05 18:30掲載