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「凍死」というと、その字面から寒さで身体が凍ってしまうようなイメージを持つ人も多いでしょう。実際には、寒冷からくる低体温によって死亡することを凍死と呼びます。冬山などに限った話ではなく、都市部においても起こる可能性があります。ここでは、凍死について詳しく見ていきましょう。
低体温症で死ぬこと=凍死
人間の体温は、身体が持つ調節機能によって外気温に関わらず常に36〜37度前後に保たれています。気温が低くなると、体温を保つために血流量を下げて毛穴を引き締めます。さらに寒冷になると、筋肉を引き締めたり、震えを起こしたり、身体を動かすことで熱を発生させる仕組みになっています。
しかし、寒さがこれらの体温調節の限界を超えている、あるいは熱を作り出すだけの体力が残っていない状態では、体温はどんどん低下して身体機能に影響を与えます。これが「低体温症」です。低体温によって自律神経の働きが損なわれると、最悪の場合、心臓の機能が停止して死亡します。
低体温症は、必ずしも冬季や登山時などの寒冷な環境で起こるわけではありません。濡れた衣服による気化熱や屋外での泥酔状態、長時間水に浸かるなどの条件で、夏場や市街地でも発生することがあります。つまり、低温のほかに湿潤、強風、飲酒、疲労、空腹などが低体温を促進させるのです。いくつかの条件が重なることで、誰にでも起こり得る事態と言えます。
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