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健康視点で自転車について考えました



自転車は、多くの人にとって身近で、必要不可欠な移動手段のひとつですので、今回は 自転車通勤・通学者のリスクマネジメント についてご紹介しましょう。
自転車を通勤・通学などで日常的に利用している人も多いでしょう。しかし、免許いらずで誰でも乗れるとはいえ、自転車は「車両」です。乗る人は交通ルールを守る責任がありますし、転倒したり事故に遭ったりして負傷するリスクもあります。ここでは、自転車利用に関するリスクについて考えてみたいと思います。

 自転車通勤・通学者のリスクマネジメント :自転車の事故に対応した傷害保険



子供が運転する自転車による高額賠償の事故が起きた時に、「個人賠償責任保険(特約)」に関する報道が増えました。同時に、「自転車利用者のケガ」などに備えるために「傷害保険」への関心も高まっています。とはいえ、保険に入りさえすれば安心なわけではなく、併せて「事故を防ぐ、仮に事故が起きたとしても損害を小さくする」にはどうしたらいいかを考えることが大事です。もちろん、これは子供に限らずすべての自転車利用者に当てはまります。

 自転車通勤・通学者のリスクマネジメント :大人にも勧めたいヘルメットの着用



健康増進も兼ねているのか、最近ではスーツ姿で自転車通勤している人をよく見かけるようになりました。一方で、自転車を利用する大人で、スポーツサイクリスト以外でヘルメットを着用する人は、まず見ません。暑い、蒸れる、髪型が崩れるなどが理由でしょう。しかし、警察庁交通局が発表した「平成26年中の交通事故の発生状況」によれば、自ら自転車のハンドルを握る人が事故を起こして負傷した場合、1〜2割は頭にケガを負っています。子供と同様に、大人にもヘルメットの着用をお勧めします。

 自転車通学・通勤者のリスクマネジメント :自転車は簡便だからこそ危険な乗り物



自転車は手軽で便利な乗り物です。同時に、危険な乗り物でもあります。安価で免許は不要、車検もなければ自賠責保険の義務もありません。まず、免許がいらない、ということは教習などを受ける機会がありません。今年の6月から、3年間で2回の悪質運転に対して講習の受講が義務づけられました。とはいえ、自転車利用者の多くは正しい交通ルールを知らないまま運転していることになります。

自転車には車検の制度もありません。だから、ライトを点灯しないどころか、ライトが備わっていない自転車が夜間に走っていることもしばしばあります。ブレーキの利きが悪い自転車も街中を疾走しています。極めつけは、自賠責保険がないために、自転車対歩行者、あるいは自転車同士の事故は揉めるケースが多く、最近では子供による高額賠償事案がニュースになっています。

 自転車通勤・通学者のリスクマネジメント :覚えておきたいTSマーク



自転車には乗用車と違って車検制度はないため、定期的な点検は強制されていません。しかし、自転車にも点検を受ける機会はあります。「自転車安全整備士」による点検と整備です。自転車安全整備士とは、日本交通管理技術協会が実施する技能検定に合格した人のことです。乗用車でいうところの「整備士」のようなイメージですね。「自転車安全整備士」による点検と整備にかかる費用は店によって異なりますが、1,000〜2,000円くらいが相場のようです(交換する部品代などは別)。

 自転車通勤・通学者のリスクマネジメント :TSマークには保険も付いている



自転車安全整備士の点検・整備を受けることによって、「安全な自転車」であることが保証されます。そして、その証として「TSマーク」のシールを貼ってもらえます。車検済みの乗用車に貼る「検査済証」と同じですね。注目したいのは、このTSマークには保険も付いていること。TSマークには「赤色」と「青色」の2種類があり、次のような違いがあります。

赤色TSマーク

賠償補償:限度額5,000万円
傷害補償:入院10万円(15日以上)、4級以上の後遺障害もしくは死亡の場合は100万円
被害者見舞金:入院10万円(15日以上)

青色TSマーク

賠償補償:限度額1,000万円
傷害補償:入院1万円(15日以上)、4級以上の後遺障害もしくは死亡の場合は30万円
被害者見舞金:なし


プロの点検・整備を受けられて、保険まで付く。乗用車の「車検と自賠責保険」がセットになったようなイメージですね。なお、TSマークの有効期間は、赤と青いずれも点検日から1年間です。

 自転車通勤・通学者のリスクマネジメント :事故に遭う前の対策が肝心



以前、子供が運転する自転車による高額賠償の事故が起きた時に、TSの保険について関心が高まりました。しかし、事故に遭ってからの補償以前に、事故を防ぐ、あるいは事故を起こしても損害を少なくすることが大切なのは言うまでもありません。そのためには、ブレーキが利き、ライトがきちんと点灯することが肝心です。傷害保険を検討することも大切ですが、自転車の点検と整備を、この機会に考えてみてはいかがでしょうか?

●大泉 稔(おおいずみ・みのる)
ファイナンシャルプランナー。株式会社fpANSWER代表取締役、大泉稔1級FP技能士事務所主宰。1級FP技能士、生命保険大学課程、1種証券外務員。明星大学日本文化学部言語文化学科を卒業後、公務員、タクシー会社事故処理係、社会保険庁ねんきん電話相談員などを経て現在に至る
http://cfpm.biz/   http://fp-answer.com/

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