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食事をしてもよい時間帯を制限し、就寝時を含む「食べない時間」を長くすると太りにくいといわれています。例えば、「8時間ダイエット」と呼ばれる方法は、朝11時から夜7時、午後1時から夜9時というように、食事をしてもよい時間帯を8時間以内に制限します。恐らくこうした方法においても、食事内容に気を配り、また、制限された時間内で食事を規則的にとることで体重コントロールへの貢献を期待できるでしょう。
ただし、注意すべきことがあります。食事が健康に与える影響は体重の増減だけではなく、血糖値への影響も無視できないからです。食事をとってよい時間帯を厳しく制限するほど、どうしても朝食を抜かなくてはならなくなります。ここでは、 朝食を抜くことによる血糖値 への影響を見ておきましょう。
朝食を抜くことによる血糖値 の影響って?
朝食をしっかりとることで体重コントロールに良い影響が出ることを示す研究はありましたが、朝食を抜くことの影響を調べた研究は稀でした。そこで、イスラエル・テルアビブ大学糖尿病ユニットのダニエラ・ヤクボウィッチ教授らの研究チームは、朝食を抜くことで血糖値やインスリンの反応にどのような影響が出るのか、食後180分間の数値の変化を調べ、2015年6月発行のDiabetes Care誌(米国糖尿病学会)に発表しました。
教授らは、過体重の2型糖尿病患者22人を対象に、1日目は3食を摂取し、2日目は朝食を抜いた2食を摂取するメニューを組みました。1日目と2日目のカロリーは等しくなるように調整してあります。そして、食後に血糖値のピークを測定したところ、次のような結果となりました。
・「朝食あり」の血糖値のピーク
昼食後 192mg/dL
夕食後 215mg/dL
・「朝食なし」の血糖値のピーク
昼食後 268mg/dL
夕食後 298mg/dL
このように、朝食を抜いた日は朝食を食べた日に比べ、昼食後、夕食後の血糖値が急激に上昇することが分かりました。加えて、朝食を抜いた日のインスリン分泌のピークは、朝食を食べたときよりも30分遅れていました。朝食を抜くと、インスリン分泌の遅延とインスリン反応の低下によって1日の血糖値が上昇しやすくなると考えられます。
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