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朝食抜きが膵臓(すいぞう)の働きに影響
なぜ、朝食を抜くことでインスリンの働きに悪影響が出るのでしょうか。研究者の仮説はこうです。
インスリンの分泌を担う膵臓のβ細胞は、どのようなタイミングでインスリンを分泌したらよいのかのメモリを持っています。しかし、夕食から翌日の最初の食事までの間隔が開きすぎるとこのメモリをいわば忘れてしまい、再び機能を取り戻すまでに時間がかかる、というものです。また、空腹時間が長くなると、血中の遊離脂肪酸の増加によってインスリンの働きが悪くなる可能性もあるといいます。
ヤクボウィッチ教授は、「たとえ昼食と夕食で食べ過ぎなかったとしても、朝食を抜くと高血糖になりやすくなる」と注意を促します。
食事をしてもよい時間を制限し、空腹時間を長くすることは体重のコントロールに関しては一定の成果を期待できます。しかし、一方では、ここで見たようにインスリンを分泌する膵臓の働きを低下させ、血糖値を高くしてしまいます。特に、2型糖尿病の人やその予防に努める必要のある人は、「朝食抜き」にこうしたリスクが伴うことを知り、慎重に体重コントロールの方法を選択しましょう。
血糖値に関する記事のご紹介
血糖値に関して様々な角度から説明した記事については、以下のようなものがありますので、ご参考にして頂ければ幸いです。
血糖値の正常値と正常ではない場合健康にどのような影響があるか説明した 血糖値の正常値 とはどれくらい? 血糖値が“高い" “低い”でどんな影響が?
<参考>
朝食を抜くと血糖値が上昇しやすくなる 朝食はもっとも重要な食事(日本生活習慣病予防協会)
http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2015/003046.php
執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:坂本 忍(医学博士)
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