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EPAの働き
EPAの最大の特徴は、血液をきれいに保つ働きをすることです。
EPAは脂肪燃焼効果を高めることで、中性脂肪(脂肪細胞の主成分)の低減をサポートする効果が認められています。
また、「血栓」(血管が傷ついてかさぶたができ、塊となる)は中性脂肪やコレステロールと同じように血液を汚す原因となり、細い血管に詰まると脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。
これに対して、EPAには血栓を作りにくくする働きもあります。
このような働きが血液の健康維持につながるとして、生活習慣病のひとつである脂質異常症の治療薬にも含まれています。
EPAを取り入れるポイント
EPAを多く含む食品が示すとおり、日々の食生活に魚を取り入れることが大切です。
そして、せっかくですから効果的に摂取したいですよね。次のようなポイントを押さえましょう。
摂取量の目安
1日のうち1回は切り身一切れ程度の魚を摂ると、毎日の目安量を補えます。
調理済み食品や魚の缶詰の活用
生魚を扱うのは、調理も後処理も面倒という声が少なくありません。
スーパーのお惣菜コーナーには、お刺身や煮魚、焼き魚、フライ、お寿司など、すぐに食べられる調理済み食品が多数並んでいます。
また、サバやサンマの缶詰などは値段も手頃です。
魚の缶詰は旬の時期に収穫した素材をそのまま缶詰にしており、脂がのっているうえ骨まで食べられてカルシウムも補給できます。
EPAは缶詰の汁にも豊富なので、汁も捨てずに料理に活用しましょう。
調理法の工夫
水に溶けやすく加熱により働きが変わってしまうため、お刺身やお寿司、カルパッチョなど、生食が一番効率的な食べ方です。
煮たり焼いたりすると約20%、揚げ物にすると約50%が煮汁や揚げ油の中に溶け出してしまいます。
ホイル焼きなどにして、魚から出た汁も一緒に食べられる調理法がオススメです。
酸化に注意
オメガ3脂肪酸は酸化しやすい油です。
酸化すると構造が変化し、体内での働きも変わってしまいます。
酸化は時間の経過とともに進みますので、新鮮な食材を食べることは味だけではなく身体にもよいと言えます。
また、酸化を抑える「抗酸化作用」を持つビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール類などを含む食品を一緒に摂取すると効果的です。
・ビタミンC:柑橘類、キウイ、キャベツ、ブロッコリー、大葉など
・ビタミンE:カボチャ、アボカド、ゴマ、アーモンドなど
・ポリフェノール:トマト、ナス、玉ねぎ、ゴマ、緑茶など
まるごと食べる
EPAは魚の身の部分だけではなく、皮、内臓など全身に含まれています。
とくに皮と身の間にはたっぷり含まれており、まるごと食べると効率よく摂取できます。
シシャモやイワシなどの小型の魚は、出来るだけ丸ごと一匹、食べられる部分は残さず食べるとよいでしょう。
サプリメントで補う
魚の良さは理解できるものの、調理が面倒、そもそも魚が苦手…という人は、サプリメントで補う方法もあります。
選ぶときには含有量をチェックしてください。
1日分の目安量は、製品によって150mg程度から900mg程度までさまざまです。
食事で摂取する魚介類との兼ね合いを考えながら、1日の目安量を守って摂るようにしましょう。
また、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール類が含まれているなど、酸化防止が配慮された製品を選ぶことも大切です。
サプリメントを取り入れる際は、あらかじめメーカーのサイトや製品表示の説明をよく読んで検討することをおすすめします。
自分の体調や食生活、嗜好に合わせ、できる方法で魚を取り入れていくと、継続的にEPAを摂取することができます。
EPAで血管をきれいに保ち、健康な身体を維持しましょう。
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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