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執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
和食に欠かせない食材で、日本人にとって老若男女問わず大変馴染み深い「豆腐」。
栄養的にも優れていて料理のアレンジも豊富なので、家庭の食卓によく登場する食品の一つです。
ところで、スーパーなどの豆腐売り場には、絹ごしや木綿、充填など、いくつかの種類が販売されています。
これらの違いを知ると、豆腐をもっと美味しく、バリエーション豊かに取り入れることができます。
豆腐の栄養
水に浸した大豆を砕いて煮沸し、豆乳とおからに分離します。
この豆乳に凝固剤を入れて固めて作られるのが豆腐です。
身体に嬉しい栄養素が豊富に含まれる、日本を代表する健康食品です。
良質なたんぱく質
「畑の肉」という呼び名を持つほど、たんぱく質を豊富に含んでいます。
さらに豆腐が優れているところは、その質の高さ!
たんぱく質はアミノ酸がたくさん連なってできているのですが、構成されるアミノ酸の種類によって特質が変わります。
アミノ酸の種類のうち、体内で合成できない「必須アミノ酸」と呼ばれる9種類のアミノ酸があります。
豆腐のたんぱく質はこの「必須アミノ酸」をバランスよく含んでいます。
こうした特性を持つ食品は動物性食品に多いのですが、大豆は植物性でありながら質の高いたんぱく質を含む、ヘルシー食材なのです。
レシチン
レシチンは細胞膜の成分やエネルギー源になり、血液中のコレステロールや中性脂肪の量を調整する働きがあります。
また、脳の情報伝達に関わる神経細胞の材料となり、記憶力や集中力を高めます。
カルシウム
カルシウムは骨や歯の主成分となり、丈夫な骨や歯を維持します。
また、神経伝達にも関わって精神を安定させる働きもあります。
日本人はどの世代においてもカルシウム不足が指摘されていますので、積極的に摂りたい栄養素です。
ビタミンB1・ナイアシン
水溶性ビタミンのビタミンB群は熱に弱いという特徴があります。
豆腐は製造工程で熱を加えたり水分を抜いたりするため、含有量は多いとはいえません。
それでも、ビタミンB群のうちビタミンB1やナイアシンを、豆腐からある程度摂取することができます。
ビタミンB1は代謝を促進し、ナイアシンは皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあります。
ビタミンE
ビタミンEは血流を促す働きがあります。
血流がよくなると、冷えや肩こりの予防、身体の隅々に栄養を届けて美肌・美髪につながるなど、健康と美容への効果が期待できる栄養素です。
サポニン
大豆サポニンはポリフェノールの一種です。
ポリフェノールは植物に多く含まれていて、細胞を傷つける活性酸素の働きを抑制する「抗酸化作用」があります。
とくに、脂質の酸化を防いでコレステロールの蓄積を抑え、生活習慣病を予防する働きに期待が持たれています。
イソフラボン
イソフラボンもポリフェノールの一種で、女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをする点が最大の特徴です。
女性ホルモンが減少するとそれを補うような働きをすることがわかっています。
更年期の女性に現れる、女性ホルモンの減少にともなう諸症状の改善に効果が期待されています。
また、女性ホルモンは骨の健康保持、血液中のコレステロール量の調整などにも作用するので、骨粗鬆症や生活習慣病予防の観点からも、同様に効果が期待されています。
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