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執筆:Mocosuku編集部
お酒を飲んだ上での暴言や暴力をめぐるトラブル・事件は、いろいろな場面で頻発しています。
こうしたトラブルは、家庭をはじめ、公共の場や会社でも起こっており、それらは近年「アルハラ( アルコール・ハラスメント )」と呼ばれる社会問題にもなっているのです。
要因としては、飲酒をして酩酊することで攻撃性が増す直接的な影響と、習慣的な飲酒によるアルコール乱用やアルコール依存症などの疾病からくる間接的な影響とがあります。
アルコール・ハラスメント: お酒が絡んだ暴力で起こる家庭的・社会的問題
家庭内暴力(DV)
厚生労働省よると、刑事処分を受けるほどのDV事件例では、犯行時に本人が飲酒していた割合は67.2%に達していたという報告があります。
この数字をみると、激しい暴力においては飲酒との相関がより強いようで、とくに飲酒をして暴力を発生させるのは、男性に多いという特徴が指摘されています。
またアルコール依存症者においては、一般的に飲酒をして暴力暴力問題が頻繁にみられ、断酒後には激減することから、依存症レベルでは飲酒と暴力に関連があることは、はっきりしたことのようです。
一方で、あまり知られていませんが、アルコール問題を持つ者に対する家族からの暴力もあります。特に女性のアルコール依存症者は、夫をはじめ家族からの暴力を受けやすいようです。
しかしDVの原因は飲酒だけではなく、夫婦関係や生活歴など様々な要因が関与しており、飲酒とDVとの因果関係は非常に複雑で、まだよくわかっていない部分も多いのが実態です。
児童虐待
児童虐待とは、18歳未満の児童に対してその保護者が「身体的虐待や性的虐待」「養育の放棄・怠慢(ネグレクト)」「心理的虐待」を行なうことです。
厚生労働省の報告によると、児童相談所における児童虐待相談対応件数は、統計の開始された平成2年(1990年)度以降、増加の一途をたどっています。要因はいろいろ考えられていますが、両親の飲酒・酩酊およびアルコール乱用・依存症あがっており、明確な児童虐待に対する飲酒の影響についての調査・研究が急がれています。
高齢者虐待
高齢者への虐待も近年社会問題化しているため、「高齢者虐待防止法」が施行されました。
高齢者虐待の加害者側の要因としても、養護者の飲酒・酩酊およびアルコール乱用・依存症が挙げられます。
その理由として、介護疲れから飲酒量が増え、アルコール乱用・依存症へと進行する事例も相当数あると考えられていますが、厚労省によると、児童虐待同様、それについての十分な調査・研究は報告されていない、ということです。
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